三浦半島「小網代の森」フィールドレポート

高橋一也(会員)

 KODOMOラムサールのボランティアとして「じゃいあん」の愛称で親しまれている高橋一也さんが、アカテガニの繁殖地として知られる三浦半島の貴重な湿地「小網代の森」をたずねた最新レポートが届きました。

 
 9月24日、仕事が休みだったので、この夏に整備を終えて開放された神奈川県三浦市、三浦半島先端の小網代の森へ、ちょいと行ってきました。
 小網代の森は、山から海まで一つの川によって、森〜渓谷〜干潟〜浜辺へと流域全体が丸ごと手つかずの自然で残された、首都圏唯一ともいえる「完結した集水域生態系」です。30年ほど前、リゾート開発計画で消滅の危機に直面しましたが、貴重な自然を残そうと地元の市民や学識経験者が集まり保全運動がはじまり、地権者の英断によって守られた湿地です。その保全活動は現在、NPO法人「小網代野外活動調整会議」に引き継がれ、多くの人が訪れる場所として整備されています。

 今回は、京浜急行で「三崎口」駅まで行き、駅から京急バスで「引橋」で下車、上流から探索しました。バス停には小網代の森の案内看板があり、途中にも看板が設置され、とてもわかりやすく、5分ほどで森の入口に到着しました。
 その瞬間から、びっくり。なんと! 格好よく整備されているではありませんか。
  周りの環境とそれほど違和感のない、よく考えてデザイン、整備された木道を、写真を撮りながら、山頂〜広葉樹の森〜渓流〜渓谷〜干潟〜海まで約1時間の行程でした。基本的には木道デッキの上を歩くようになっていますが、一部、森の地面を踏んで歩くところもありましたが、以前のように長靴が必要という感じではありませんでした。もちろん「ヤブコギ」なって過去のものです。この時期ですから、さすがに森の貴婦人「アカテガニ」も穴の中、姿を見ることはできませんでしたが、たっぷりと手つかずの自然を堪能してきました。
    
    小網代の森全景・右が山頂(航空写真)
 

山頂の森の入口

入口の看板

キャノピーのような木道
 上流から干潟までの渓流〜森〜湿地〜干潟のようす(左から)
 

マグロ丼
三浦野菜畑
江奈湾のヨシ原

 その後、「シーボニア入口」バス停から三崎港へ移動して、名物のマグロ丼を味わいました。そして三崎港から剣崎回り三浦半島行きバスに乗り、三浦野菜畑を抜けて江奈湾のヨシ原を眺めてと、三浦半島の風景を楽しみ、最後は、温泉に入って、一日、三浦半島を満喫してきました。
 今回の費用は、交通費(電車・バス)+マグロ丼+温泉入湯料で〆て、京浜急行セット料金「3060円」の割安ツアー切符でした。安いでしょう!
 小網代野外活動調整会議 (www.koajiro.org/)では、毎月第3日曜日にボランティアウォークを実施していて、現地で自由に参加できます。今度、ラムサールセンターのフィールドツアーを計画しますので、お知らせします。
(文・写真 じゃいあん)
 
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