ラムサール通信
2005年12月9日発行 第97号


●ラムサール条約第9回COP9、初めてアフリカで開催●

 11月8〜15日、ウガンダの首都カンパラでラムサール条約第9回締約国会議(COP9)が開かれ、政府代表、関係機関、NGOなど120カ国から約1000人が参加しました。「湿地と水:命を育み、暮らしを支える」をメーンテーマに、アフリカ大陸初の開催ということで貧困対策、持続可能な利用(水資源の確保、食料対策)などで白熱した議論が繰り広げられました。
 「賢明な利用についての定義の改定」、「湿地と貧困対策」、「持続可能な利用(とくに漁業)」、「湿地の文化的価値」、「湿地と自然災害」など25の決議が採択されましたが、日本が提出した決議「ラムサール条約の効果的履行における地域的な湿地シンポジウムの重要性」(アジア湿地シンポジウムを評価する決議)も無事採択されました。会議では、「アジア湿地シンポジウム2005(AWS2005)」で採択された「チリカ声明(25カ国語版)」と報告書(CD版)が資料として政府代表に配布されました。ラムサールセンターが現地のNGOネイチャー・ウガンダと計画した、アジアとアフリカの子どもたちの湿地交流サイドイベント「子どもラムサール」は、ウガンダ政府と条約事務局から高く評価され、突然、COP9の公式プログラムに招待され、日本、韓国、タイ、インドの子ども7人とアフリカの子ども代表が開会式でメッセージを発表するという大成功となりました。また開会式では、ラムサールセンターの事務局長中村玲子さんが、これまでの環境教育・アウェアネス活動が評価され、日本人として初めてのラムサール湿地保全賞を受賞しました。
 ラムサールセンターからは、会長の岩間徹、副会長の磯崎博司、武者孝幸、会員の辻井達一、小林聡史、中村玲子、岡本嶺子、大村弥加、吉開みな、築地珠子、神辺晴美、小田奈津子、野中由美子、アジア会員のアマド・トレンティーノ、サノワ・ホセイン、テージ・ムンカー、ビシュヌ・バンダリ、A. K. パトナイク、D. P. ダス、ギジェ・ジュウ、レベッカ・ドクルツさんが参加しました。
 COP9の詳細報告は、1月14日(土)のワイズユースワークショップで行います

サイド・イベント
 11月12日、日本提出の決議をサポートするサイドイベント「アジア湿地シンポジウム:ラムサール条約の効果的な履行に果たす地域イニシアティブ」が約50人が出席して行われました。AWS2005の報告書、チリカ声明、津波勧告が紹介、配布され、AWS2005の報告(A. K. パトナイク)、AWS:大津・釧路からブバネシュワルまで(ビシュヌ・バンダリ)、アジアの湿地保全における法律(アマド・トレンティーノ)、2004年アジア津波後の沿岸の環境と人びとの暮らしの再生と推進(テージ・ムンカー)、日本経団連自然保護基金と湿地保護(柳井俊郎)、決議「ラムサール条約の効果的な履行に地域フォーラムが果たす重要性」について(名執芳博)、地域住民の役割(磯崎博司)の発表が行われました。

展示ブース
 会期中に展示ブースを開き、書籍やRCJグッズの販売、新規プロジェクト「子どもラムサール」のキャンペーンなどを行いました。アジアの子どもたちが描いた湿地イラストはブース会場に展示され、多くの方が見入っていました。


「子どもラムサール」アジア・アフリカ交流大成功

 11月8〜10日、COP9と並行して、アジアとアフリカの子どもたちの湿地交流「子どもラムサール」が開催され、日本から松井佑真君(高校3年/北海道)、山本賢樹君(小学5年/滋賀)、樋口翔一君(高校1年/鳥取)、高良海舟君(中学1年/沖縄)、インドからスリヤ・パトナイクさん(公立学校7年)、タイからチャンサク・ブアバン君(中学2年)、韓国からホギョン・ジュウ君(小学5年)の合計7人がアジアから参加しました。8日にカンパラ市内の学校で交流会が開かれ、ウガンダの子ども約200人がアジアの子どもたちを迎えてくれました。子どもたちはそれぞれ、自分の身近にある湿地について英語で発表、その後、「湿地保全のために何をすべきか」について活発な議論が行われました。話し合われた内容は、宣言文(メッセージ)としてまとめられ、COP9の開会式で子どもたちが読み上げました。ラムサール条約の歴史35年で初の子どもの参加に会場から大きな拍手。ラムサール条約事務局から高い評価を受けました。


*第65回<ワイズユース>ワークショップ「COP9報告会」*

日 時: 2006年1月14日(土) 午後2時〜5時
場 所: 明治学院大学 白金キャンパス 本館8階法律科学研究所会議室
(港区白金台1-2-37)
地図はこちら http://www.meijigakuin.ac.jp/access/shirokane/
プログラム:
2:00-2:30  COP9全体報告
2:30-3:00  COP9の成果(決議・勧告の解説)
3:00-3:30  子どもラムサール報告
3:30-5:00  全体討議、会員からの話題提供
参加費: 2000円(会員1000円)
*ワークショップ後は、中村玲子さんのラムサール湿地保全賞受賞のお祝いを兼ねた新年会です。場所は追ってご連絡します。新年会だけの参加も歓迎です。




−忘年会のお知らせ−
 12月29日に下記の要領で恒例のラムサールセンター忘年会(事務局の納会)を行います。今年はラムサールセンター事務局近くの「池上本門寺」に御礼参りをしてから会場へ。一年をふり返り、来年を展望しましょう。参加ご希望の方は、12月22日までに事務局までご連絡ください。 



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