ラムサール通信
2005年6月30日発行 第94号


●中村玲子さん「ラムサール湿地賞」受賞●
RCJの活動が評価され、日本人初の栄誉

 うれしいニュースです。事務局長の中村玲子さんが「ラムサール湿地賞(Ramsar Wetland Convention Award)」を受賞することになりました。ラムサール条約の常設委員会で決定しました。事務局のホームページでも発信されました。おめでとうございます。
 ラムサール湿地賞は、ラムサール条約が3年ごとに開かれる締約国会議(COP)で、条約の促進、湿地の保全に業績のあった個人、団体を表彰するものです。ラムサールセンターが国内とアジアで進めてきた15年にわたるCEPA活動が評価され、「教育」部門で、いわばRCJを代表しての受賞となりました。ウガンダ国カンパラで11月に開催されるCOP9開会式に招待され、表彰されます。もちろん日本からは個人、団体を通じて初の受賞です。
 うれしいニュースがもうひとつ。韓国プサン大学教授の朱杞載(JOO Gea-Jae)先生が「生態学琵琶湖賞」を受賞しました。同賞は、滋賀県が水環境部門の生態学研究で業績のあった若手研究者に贈るもので、洛東江における水域生態学の研究が認められました。2001年にはマレーシア科学大学(USM)のアユディン・アリ先生が受賞しており、RCJ会員から二人目という快挙です。
 中村玲子さん、JOO先生、おめでとう。みなさん、いっしょにお祝いしましょう。


●ラムサールセンター第15回総会報告●
COP9(11月/ウガンダ)にアジアからの貢献をめざして
RCJ活動16年目の新たなスタート

 ラムサールセンター(RCJ)総会が5月29日、法政大学人間環境学部会議室で開催されました。RCJ総会は、会計年度(4月〜翌年3月)の関係で毎年5月末、年に一度開催されます。1年間の活動と会計報告を行い、次年度の方針(事業、予算、人事など)を討議、決定する意思決定機関で、RCJのもっとも重要な会議、行事です。
 総会には岩間会長、磯崎・藤倉・安藤・武者副会長、大亀監事、中村事務局長はじめ会員の築地、吉開、土居、大塚、阪上、野中、神辺、新井、小田、苑原、千葉さん(計18人)が出席。議案を一部修正、全会一致で承認して無事終了。2005年度(16年目)がスタートしました。なお、人事は全員留任(別項参照)しました。会員には議案書を送付済みですが、以下、要約して報告します。

T 2004年度(2004年4月〜2005年3月)活動報告(要約)
 RCJの活動は、3年に一度のラムサール条約締約国会議(COP)を目標とした、3年間の中期計画で進められています。2004年度(2004.4〜2005.3)は第5期中期計画の3年目で、継続事業「アジア湿地イニシアティブの構築(AWI)」(日本経団連自然保護基金助成)の成果をとりまとめ、2005年11月のCOP9(ウガンダ)への貢献をめざす「アジア湿地シンポジウム(AWS2005)」を最大目標に、「アジア湿地ウイーク(AWW)」(地球環境基金助成)など、アジアを中心にさまざまな活動が展開されました。
 これらの活動・事業は、次のような基本認識にもとづいています。
 RCJ活動は「AWS2001(ペナン)」以降、アジア各国からの要請が一段と強まり、アジアの人々の積極的な参加によって協働関係が拡大してきました。その背景には次のような状況があります。
1. アジアのラムサール条約加入が大きく前進し、湿地の機能と価値、保全と賢明な利用の基本認識は各レベルに広く普及しつつあり、普及啓発や基礎的な情報提供の段階から湿地がかかえる、より具体的な問題解決への取り組みが求められる段階に向かっている。
2. アジアの大多数は開発途上国で、多くは貧困にあえぎ、人口爆発と都市化はとまっていない。湿地への圧力はさらに増大し、湿地の劣化、破壊、生物多様性の消失、そして問題解決の糸口は見えていない。
3. アジアの経済危機が悪循環に拍車をかけ、各国の環境問題への取り組みは前進していない。国際機関などの支援の取り組みは逆に縮小傾向にあり、NGO運動は停滞を余儀なくされている。
4. こうした状況下、ラムサール条約は必ずしも特効薬とはなっていない。組織の巨大化、資金不足、運営の非効率は、問題解決を自国の自力再生に求めている。しかし、政治的不安定や貧困、人材の不足などから、湿地の保全と管理に期待することはむずかしい。
5. そのなかで、チリカ湖のモントルーレコード克服は示唆に富んでいた。日本の先進事例とアジアのネットワーク、政府やNGO、資金ドナーなどのパートナーシップが大きな力となったからだ。
6・ アジア湿地局(AWB)の発展的解散以降、アジアの湿地の困難な課題を解決する共通の、明確なステージが失われ、「AWI」はこうした現状打破への期待をになっているといってもよい。
 以上の認識のもと、中期第5期(2002〜2005年)第3年度は以下を目標に活動を展開しました。
@ アジアで展開中の2つの事業、「AWI」と「AWW」がめざしてきた「アジアによるアジアのためのパートナーシップ」を発展させて、「アジア湿地ネットワークの構築」をめざし、
A そのことを含めた、アジアの湿地保全と賢明な利用のためのレビューとペナン声明の検証、課題と到達点を明らかにする「AWS2005」を成功させ、
B その成果をもってCOP9(ウガンダ)へのアジアからの貢献をめざす。
C 同時に、国内においては、ひきつづき登録湿地の拡大と普及・啓発を中心に、調査・研究、情報提供など、会としての基本活動を継続、発展させる。
 その結果、2004年度活動はほぼ計画どおりに実行され、予定どおりの成果をおさめました。なかでも「AWS2005」は、参加者32カ国400人、発表論文75本、成果として「チリカ声明」と「津波勧告」を採択し、AWS1992(大津・釧路)から、AWS2001(マレーシア・ペナン)、そしてブバネシュワルへとひきつがれたアジアの湿地運動の大きな流れをつくりだし、主導的役割をはたすことができました。
 条約事務局と環境省はこの「AWS2005」を高く評価し、2005年5月の「ラムサール条約アジア地域会議」(北京)に正式報告し、COP9本会議へ「決議」として提案されることになりました。
 主な活動の詳細は、以下のとおりです(活動日誌は省略)。

[1] 海外における主体事業
1) アジア湿地シンポジウム(AWS2005)の開催 日本経団連自然保護基金助成事業
 AWS2005は、「湿地の保全と貧困の克服をめざす新たなアプローチ」をスローガンに、2005年2月6日〜9日、インドのラムサール登録湿地チリカ湖のほとり、オリッサ州ブバネシュワル市で、RCJと次の各団体の主催、共催、後援、協賛によって開催されました。
主 催: ラムサールセンター/チリカ湖開発公社/オリッサ州森林環境省
共 催: インド環境省/日本環境省/WI/WI日本
後 援: ラムサール条約事務局/日本経団連自然保護基金/積水化学工業/リコー/北海道河川防災研究センター/JICA/IGES/タタスチール/ナショナルアルミニウム/JKペーパー/インド州立銀行/インドユニオン銀行/インド銀行/パラディープフォスフェーツ/アラハバッド銀行ほか
 会議は、6日にモントルーレコードを克服したチリカ湖を3つのコースから視察。7日〜8日にプレナリーと5つのテクニカルセッション、2つのサイドイベント。9日にインド洋津波の緊急事態で設定されたTSUNAMIセッションと日本・タイ・インドの子どもたちによる特別セッション、クロージングセッションの日程で行われ、「チリカ声明」「津波勧告」を採択して終了。参加者は32カ国400人。(*詳細は報告会で報告済みのため省略します)
 AWS2005は成功しましたが、終了していません。成果をCOP9に貢献していかなければなりません。条約事務局と環境省は5月のアジア地域会議でAWS2005を正式議題とし、11月のCOP9へ「決議」として提出することを決めました。RCJとアジアのすべての関係者の努力のたまものです。
 したがって、RCJの今後の活動はCOP9に向けて全力をあげなければなりません。

2)アジア湿地ウイーク・子どもと湿地(AWW) 地球環境基金助成事業
@日・中・韓3国子ども湿地交流
 プロジェクト推進母体であるAWW委員会の中心事業として、一昨年の谷津干潟、昨年のウーポ湿地(韓国)につづき、中国江蘇省の大豊自然保護区(ラムサール登録湿地)で、関係機関、NGO、先生、父兄、子どもたち約100人が参加して開催。3国の子どもたちによる湿地の研究や紹介、書画の制作、大豊湿地の観察会を行い、「湿地の保全と教育に関する子どもたちと先生からのメッセージ」を採択しました。
 この成果は、WI中国の新たな3年計画事業に引き継がれます(地球環境基金助成が決定)。
Aアジア各国・各地域のAWWイベント
 例年どおり、ラムサール条約が提唱する世界湿地の日(2月2日)前後1週間をアジア湿地ウイーク(AWW)と設定し、NGOや市民参加による多彩な行動が日本とアジア各地で展開されました。
 日中韓3国交流に次ぐAWW委員会主催のコアイベントとして、AWS2005の開催中、チリカ湖にアジアの3大ラグーン(チリカ湖・サロマ湖・ソンクラ湖)の子どもたちが集まって、湿地交流を開催。その成果をAWS最終日の特別イベントとして会場で子どもたちが報告しました。
 これら地域共同行動には、湿地保全キャンペーンキャラクターを配したポスターやステッカー、Tシャツ、タオルなどの活動支援ツールを製作、提供しました。

 今年も多くの湿地や生物多様性、環境教育の国際会議から講師派遣や参加・協力要請があり、予算やスケジュールなど条件の許すかぎり参加、協力しました。主のものは故アリさんのメモリアルセミナー(9月/ペナン)、IUCN世界会議(11月/バンコク)、西・中央アジアラムサールセンター開設会議(2月/イラン)、FAO津波と森林回復ワークショップ(3月/バンコク)など。

[2] 海外における支援活動
1)インド環境協会(IES) 地球環境基金助成事業
「インド・デリー市(ヤムナ川)の水質モニタリング調査と子どもと学校を対象にした環境アウェアネス」事業で、RCJが代理人。水の環境教育で知られる滋賀大学(川嶋宗継教授ほか)と協力協定が結ばれ、共同で研修プログラムを実施。大学生のボランティアスタッフなどもを派遣。アジア各地で水環境の悪化、水不足が深刻で、先駆的な取り組み、アジアモデルとして注目されています。
2)バングラデシュ・ポーシュ 地球環境基金助成事業
 バングラデシュ南部コックスバザール郊外の広大なマングローブ湿地での「湿地保全と賢明な利用のための住民参加マネージメント組織づくりと総合地域社会開発プロジェクト」事業。2月の「沿岸湿地のマネジメント」ワークショップにはボランティアスタッフも参加。マングローブの再生を軸に、地元住民の参加によって貧困問題を解決しようという意欲的な社会開発プロジェクトです。

3)友好団体などとの活動
 各種会議への参加や資料請求への対応など、今年度も会員が分担して協力。主なものに、米国ウィルソンセンターとアジア経済研究所の「日米水パートナーシップ:中国流域管理共同研究」など。

[3] 国内における基本活動
1)ワイズユース・ワークショップの開催
 ワイズユースWSはRCJがもっとも重視する活動で、普及啓発NGOにとっては知識や情報の収集蓄積、能力アップは不可欠。第58回「外来生物法と日本の自然生態系管理」(5月)、第60回「COP9を展望して:ウガンダのNGOと環境教育」(7月)、第61回「AWS2005:ブバネシュワル宣言検討会議」(11月)、第62回「アジア湿地シンポジウム2005報告会」(3月)の4回開催されました。とくに外来生物問題は充実した内容でした。
2)<ワイズユース>ワークショップ(フィールド版)の開催
 会員の村上悟さんのアレンジで、琵琶湖の現状を水系やブラックバス問題などから考える好企画でした。第59回「琵琶湖と北部水源(山門湿原)の秘境湿地ツアー」(7月/琵琶湖)。
3)地域活動・ワークショップへの協力
「東京バードフェスティバル」にブースを出展。アンケート調査など活発な活動を展開しました。登録湿地倍増の掛け声のわりには、関係自治体からの要請はほとんどなしでした。ラムサール条約が浸透し、理解が深まった結果ならよいのですが、やや心配な面もあります。
「東京バードフェスティバル」(5月/東京港野鳥公園)、・「国際湿地シンポジウム敦賀」(10月)、・「人とツルとを考える/子ども100人ツル100羽の里をめざして」(1月/山口・八代盆地)。
4)各種関係団体との協力推進
 JICA(ILEC)の海外研修プログラム(途上国研修)として、「水環境を主題とする環境教育コース」(10月)、「アンザリ湿地生態系保全総合管理計画調査」(11月)へ講師を派遣しました。
5)報告書、普及啓発ツール類の製作と販売
AWS2005用に新デザインTシャツ、RCJマーク入りピンバッチ・トートバッグを製作。RCJ活動を紹介する英文パンフレット、AWW用のポスターなども。
6)ラムサール通信の発行とホームページの運営
 ラムサール通信もRCJがもっとも力を入れてきた活動のひとつ。年間最低4回発行が目標でしたが、85号〜92号と8回発行しました。メール、ホームページがいかに普及しても、活字情報による会員との絆の重要性は不変。NGO活動の基本として今後も堅持します。RCJ15年でいよいよ「100号」が目前です。毎回の発送は300〜350人・団体です。
 ホームページはラムサール通信と連動、ときには先行公開。充実した内容になり、英語版も随時、更新されています。新規問い合わせの多くをホームページが介在し、役割はますます増大してます。
7)事務局体制の整備、人材の育成
 前年度から課題の人材育成、若返りの芽が育ちはじめました。日中韓子ども湿地交流ではFAネットワークの大学生ボランティアが事務局をサポート。RCJ活動の幅が広がり、大学生には研修と活躍の場が提供される相乗効果が生まれています。AWS準備の裏方でも彼らが奮闘しました。

[4] 決算・予算報告
*省略(会員のみ配布)

[5] 人事・組織
 全員再選、留任しました。人事体制は次のとおりです。
会長 岩間徹  副会長 磯崎博司/藤倉良/安藤元一/新庄久志/武者孝幸
事務局長 中村玲子  事務局長補佐 築地珠子  会計監事 大亀哲郎

U 2005年度(2005年4月〜2006年3月)の活動・事業方針
 2005年3月で第5期中期3年計画は終了し、2005年4月から第6期中期計画が新たにスタートする予定でしたが、COP9の開催が11月にずれこみ、COP9にAWS2005の成果を提出するためにはRCJ活動のほとんどをその準備に集中しなければならず、また環境省がAWSに関連する決議をCOP9に提案するという新たな状況が生まれていること、次の中期計画の方向性はCOP9の議論の動向を判断したいことなどから、2005年4月〜2006年3月の新年度の活動・事業方針は、これまでの第5期中期計画を踏襲し、そのとりまとめを基本とします。
 なお、RCJ活動はすでに15年を経過し、設立当初の目標、会則が現状とやや乖離しつつあることが多くの会員から指摘されています。したがって新年度の方針、計画は単年度として以下のような活動に取り組み、長期・中期方針は次回の総会で「組織」問題とあわせて討議、決定します。
[1]海外における主体事業
 COP9(11月/ウガンダ)に向けて、次の3つの活動を中心に実施します。
1) 「AWS2005」のCOP9本会議への貢献(「報告書」「チリカ声明/各国語」の製作、本会議への提供)。経団連自然保護基金助成「アジア湿地イニシアティブのCOP9への貢献」事業です。
2) 環境省提案予定の「AWS決議(成果と意義、継続と活用、地域モデルとしての普及)」採択に向けての、COP9本会議を中心にした取り組みです。
3) 地球環境基金助成「COP9におけるアジア・アフリカ湿地交流<子どもラムサール>開催」事業。アジアの湿地から代表を派遣し、アフリカの代表と「子どもラムサール会議」をCOP9の期間中にサイドイベント的に開催します。
[2]海外における支援活動
 RCJの「日中韓3国子ども湿地交流」を継承し、中国国内で3年事業として展開するWI中国の事業、インド・IES、バングラデシュ・ポーシュの三つのJFGE代理人事業をこれまでどおり進めます。
[3]国内における基本活動
 すべて今年度同様、これまでのRCJ方針を堅持し発展させますが、11月まではCOP9の準備に集中するため新規事業は最小限にし、また12月以降は、次年度以降の長期・中期計画策定のための討議と、RCJの「組織」問題をテーマにした検討を行いたいと思います。その他、詳細は省略。
[4]予算計画 *省略(会員のみ配布)


アラル海・アンザリ湿地・国内の湿地・生物多様性条約
第63回<ワイズユース>ワークショップ報告

 5月29日、総会に引き続き、第63回ワイズユース<ワークショップ>が開かれました。久しぶりに顔のそろったRCJ会長、副会長らから、それぞれの研究、専門分野の最新のトピックを報告してもらいました。そもそもRCJが「湿地と人間研究会」であることを再認識させる、会員の優れた知見、見識に接した収穫の多いワークショップでした。総会に出席した会員18人を含め21人の参加でした。

<ワークショップ・プログラム>
1. 博多湾今津浜の環境アセスについて(岩間徹)
*福岡市の都市再開発計画の影響
2. アラル海流域保全・利用とアフガニスタン(藤倉良)
*国際河川をめぐる水問題と湿地環境
3. イラン・アンザリ湿地の保全(安藤元一)
*モントルーレコード湿地の再生と国際協力
4. ベトナムの水漁業資源管理の動向(土居正典)
*ベトナム南部・ナチャン周辺の調査
5. 日本の新しいラムサール登録湿地(武者孝幸)
*数・タイプ・地域の拡大と「質」の懸念
6. 生物多様性条約をめぐる最新状況(磯崎博司)
*知的財産・所有権をめぐって
7. COP9におけるAWS決議の検討について(守分紀子)


第64回<ワイズユース>ワークショップ・フィールド版
「かつての日本最大の高層湿原“石狩泥炭地”の名残三昧ツアー」報告

 5月25〜26日、RCJと北海道環境財団の主催で、かつて日本最大の高層湿原だった石狩泥炭地をめぐる第64回ワイズユースワークショップ・フィールド版が行われ、日本の近代化とともに次々と消失した北海道の湿原の代表、石狩川流域の広大な原野の名残りを求めて、鏡沼、北村農業資料館、美唄湿原、宮島沼、月ヶ湖湿原、高橋ピートモスの泥炭採取地などを見学し、関係者からのレクチャーを受けました。泥炭湿地という独特の環境、国策(開拓)と自然環境の問題点を肌で感じとることができました。
 25日夜には、環境財団の湿地セミナー「北海道の湿原と石狩泥炭地を考える」が行われ、5人の講師によるさまざまな視点からのプレゼンテーションがありました。会員の参加は、武者、中村、辻井、高田、富岡、築地、神辺、小田、野中、阪上、吉開、岡本さんの12人でした。

<湿原セミナープログラム>
1. 「北海道の湿原とその魅力」(辻井達一・北海道環境財団理事長)
2. 「石狩低湿地形成から見た湿原形成」(藤田郁男・環境学習フォーラム北海道)
3. 「宮島沼の保全とワイズユースの現状と課題」(牛山克己・美唄市環境課)
4. 「石狩平野への水がめ−雨竜沼湿原の現状と課題」(岡本洋典・写真家)
5. 「石狩湿原の名残−月ケ湖、美唄湿原、越後沼」(高田雅之・北海道環境科学センター)


ワークショップに参加して:
 今回のワークショップで、かつての広大な石狩泥炭地が、現在ではほとんどが農地になり、当時の面影を残す湿原はごくわずかになり、そのわずかに残った湿原も危機にさらされているという状況が、よくわかりました。めったに訪れる機会のない泥炭地という湿地環境を見学でき、しかも現地の専門家の意見を聞くことができる貴重な機会に参加でき、光栄に思います。(神辺晴美)



日中韓3国子ども湿地交流「湿地の学校inザーロン」参加者募集
2005年7月28日〜8月4日/中国・北京および黒龍江省

 5月13日〜16日、中国・北京でラムサール条約アジア地域会合が開催されます。ラムサールセンターから岩間会長ほかが出席し、「アジア湿地シンポジウム2005」の成果(チリカ声明とTSUNAMI勧告など)を報告します。
 地域会合はアジアなど世界5地域で、11月にウガンダで開催されるCOP9に向けて、議事の事前調整、各国の国別報告書のチェック、抱えている課題、今後の方向性などが議論される場です。現在アジアの加盟国は26カ国で、ブルネイなどの未加入国もオブザーバーとして出席します。
 同時にラムサールセンターでは、この機会を利用し、WI−中国の新規事業(日本・中国・韓国3国子ども湿地交流)についても打合せが行なわれます。


■■■会員募集・寄付歓迎■■■
 ラムサールセンターの財政はきびしい状況です。このままいくと倒産、はしませんが、大変です。新規の入会、篤志家の寄付を歓迎します。会員には、会費納入のお願いを同封しましたので、ご協力よろしくお願いします。(事務局会計係)


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