ラムサール通信
2005年1月31日発行 第91号


●アジア湿地シンポジウム2005いよいよ開催●
登録者370人超/「TSUNAMIと沿岸湿地管理」セッションを追加

 「アジア湿地シンポジウムAWS2005」は2月6〜9日、インド・チリカ湖(ブバネシュワル市)でいよいよ開催されます。南アジア初の国際湿地会議への期待は大きく、すでにオンライン登録は370人を超え、春節中の中国からも多数が、日本からはサロマ湖の漁業組合とお母さん・子どもたちが団体でと、予想を上回る規模の開催となりそうです。
 ラムサールセンターの日本事務局スタッフは、アジアの多様な政治、経済、民族、文化、言語、さらには時差と、これまでになかったさまざまな困難(?)と不可解(?)を乗り越えながら、インド側事務局と協力して着々と、右往左往、行きつ戻りつ、準備を進めてきました。
 昨年12月26日に発生したスマトラ沖地震は各地に大きな被害をもたらしましたが、開催地のチリカ湖周辺は幸い被災を免れ、予定どおりシンポジウムの開催にこぎつけました。
 大津波の襲来は沿岸各国に大きなショックを与え、沿岸の乱開発の見直しと、マングローブ林やサンゴ礁の重要性を再認識させることになり、AWS実行委員会はただちに特別セッション「TSUNAMIと沿岸湿地管理」の追加開催を決定しました。
 同セッションは、津波に関する最新情報や経験、知見を持ち寄り、今後の取り組みを探るためのもので、グローバル・エンバイロメントネットワークやウェットランド・インターナショナルなどとと協力して開催しますが、追加プログラムで、広報と予算がまだ不足しています。そこで、@津波に関する情報・資料の提供と、A特別セッション開催の資金サポートをお願いしています。同セッションは2月9日午前に開催されます。どうぞよろしくお願いします。

@情報・資料の送付先(インド事務局宛です)
AWS Secretariat-India
Dr. Ajit K. Pattnaik Chief Executive, Chilika Development Authority,
Fax:91-674-2434485  E-mail:ajitpattnaik@hotmail.com
*タイトルに「AWS2005/TSUNAMI Session」と明記してください。

A特別セッション開催寄付金の送付先
送金方法: 銀行振込: 東京三菱銀行池上支店 (普通)1199738
名義:ラムサールセンター特別会計 事務局長 中村玲子
郵便振替: 00130−7−547767 
名義:ラムサールセンター
現金書留: 〒146-0084 東京都大田区南久が原2-10-3
ラムサールセンター  Tel: 03-3758-7926


…………… AWS2005への寄付金のご協力ありがとうございます ……………

 AWS2005開催への財政支援、寄付金の呼びかけに多くの方からご協力をいただきましたが、新たに安藤元一、浅尾せつこ、川嶋宗継、後藤安子、小松潔、サロマ湖養殖漁業協同組合、千葉一浩、豊島英夫、日本国際湿地保全連合、平野紀子、村上悟さんからご寄付をいただきました。ありがとうございます。これによって寄付金合計は65万7600円となりました。心からお礼申しあげます。目標の100万円まであとひといき!引きつづき募集中。よろしくお願いします。


●「日中韓3国子ども湿地交流イン中国・大豊湿地」報告●

 12月24〜28日、中国江蘇省大豊(ダーホン)市の「大豊湿地/大豊シフゾウ自然保護区」で、第3回「日本・中国・韓国子ども湿地交流」が開催されました。この事業はラムサールセンターが地球環境基金の助成を受けて計画した3年プロジェクトで、最終年度の今年はウエットランドインターナショナル中国(WIC)がホストしました。日本から11人、韓国から11人の子どもと先生・NGOの代表が、中国からは地元の大豊第4中学校のほかに、湖南省の洞庭湖と広東省のマカオからの子どもたちが参加して、盛大に実施されました。
 中国国内で一度は絶滅しながら、英国から逆移入して増殖、再生に成功した幻の珍獣シフゾウ保護区として有名な大豊湿地は、上海の北部(車で5時間)、揚子江と准河下流に広がる沖積平野の末端、黄海沿岸部にある湿原と干潟、水田と塩田で構成されるラムサール登録湿地です。子どもと先生・NGO代表がそれぞれの国の湿地と生きもの、湿地と人々の暮らしについて研究発表を行い、いっしょに絵や書を書いたり、歌ったりして楽しく交流しました。もちろん、馬とも牛、鹿、ロバともつかぬ不思議なシフゾウにみんな感激しました。
 日本からの参加は、釧路湿原、琵琶湖、漫湖からの子どもと先生・NGOの代表とラムサールセンターの中村玲子、武者孝幸、岡本嶺子、赤瀬悠甫、野中由美子さんでした。
 なお、「アジア湿地ウイーク・日中韓3国子ども湿地交流」はこれで成功裏に終了しましたが、
WICは中国国内の強い要望を受け、ひきつづき「3国子ども湿地交流」を来年度から3年間継続する計画で、日本の地球環境基金に助成申請を行いました。


●八代のナベヅル13羽に/出水からの移送計画実現か●

 本州唯一のツルの越冬地、山口県・八代のナベヅルは今年、とうとう13羽に減ってしまいました。最盛期に350羽を数えた貴重な越冬地は、もはや風前のともしび。一方、出水平野のツルは今年も1万羽を超え、伝染病・感染症発生の懸念はますます強まっています。
 地元では数年前から、出水市にナベヅルの譲り受け、移送計画を打診し、そのためのケージも完成、飼育訓練もはじまっています。出水で捕獲された傷病ツルを八代に運び、ケージで適切な期間飼育してから放鳥、八代で越冬したツルとともに繁殖地へ帰し、翌年再び八代に呼び戻そうという計画です。すでに環境省も調査を終え、ゴーサインを待つばかり…ということです。
 そんな時期、1月29〜30日、山口県のNGO連合組織「やまぐち自然共生ネットワーク」の主催する「人とツルとの共生を考える/子ども100人!ツル100羽!の里をめざして」が八代で開催されました。環境省野生生物課長名執芳博さんの基調講演と、ラムサールセンター事務局長中村玲子さんのコーディネートによるパネルが行われ、この「世紀」の移送計画や「ツル特区」構想やら、にぎやかな議論がくりひろげられました。
 追記:この会合に参加した山口県秋吉台・秋芳洞で活動するNGOからラムサールセンターに、「春になったら秋芳洞を見学に来てください」とのお誘いをうけました。ラムサール条約では、鍾乳洞も重要な湿地。「ぜひとも実現を」と、ありがたくお受けしてきました。会員のみなさん、次のフィールドワークショップは「秋芳洞」にしましょう。予告です。


●RCJの活動紹介パンフレット英語版とトートバッグ完成●

 ラムサールセンターの活動を紹介する英語版のパンフレットが完成しました。ラムサールセンターの会則、基本方針、アジア各地で行ってきた活動などが紹介されています。アジアのラムサール条約締約国の地図付き。A4判3つ折り。もちろん無料です。ご活用ください。
ラムサールセンターのロゴ入りトートバッグもできました。生なり綿布に、おなじみのマークが黒色でプリントされています。マチ付き、取っ手は太くて長くて頑丈です。こちらは300円(以上)の実費頒布です。デザインは会員の古田修さん。以上、どちらも申し込みは事務局へ。

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