ラムサール通信
2012年8月20日発行 第152号


 ●ラムサール条約COP11(ブカレスト)報告●
2012年7月6~13日、ルーマニアの首都ブカレストでラムサール条約第11回締約国会議(C
OP11)が開催されました。138締約国の415人の政府代表はじめ国際機関、国際/国内NGO、専門家など約900人が参加し、22の決議を採択して終了しました。辻井達一先生がラムサール条約湿地保全賞(科学部門)を受賞されました。おめでとうございます。
1990年のCOP4(モントルー)から連続8回目の参加のRCJは、展示ブースでAWS2011サバ/無錫の宣言や、KODOMOラムサール活動の成果を発表。AWS2011無錫の概要と1992年からのAWSの歴史をまとめた小冊子「アジア湿地シンポジウム-大津から無錫へ」を締約国代表や参加者に献呈するなどの活動をおこないました。
 焦眉の課題だったラムサール条約事務局の法的担保・所管(IUCNか、UNEPか)は、長時間の議論の末、従来通りIUCNに残留するという決論になりました。(決議XI.1)。
ラムサールセンター(RCJ)からは会員の磯崎博司、岩間徹、武者孝幸、中村玲子、辻井達一、古川勉、名執芳博、小林聡史、田辺篤志、鈴木和信、新井雄喜、Rebecca D’Cruz、Bishnu Bhandari、Sansanee Choowaew、Kamal Rai、Chen Kelin、Taej Mundkur、ボランティアの佐々木優、佐久間友里、安部彩野さんが参加しました。次回の締約国会議(COP12)は、2015年、南米のウルグアイでの開催となりました。AWS小冊子「アジア湿地シンポジウム-大津から無錫への旅」(右の写真)は、A4判、60ページ、英語版で、1冊1000円(送料とも)で頒布します。ご希望の方は、事務局までお申込みください。


 ●RCJ事務局スタッフ募集●
 RCJは、ラムサール条約と湿地のCEPA(コミュニケーション、教育、参加、普及啓発)に取り組むNGOで、現在は「KODOMOラムサール」「国連DESD運動」などを国内外で推進するほか、アジアのNGOと連携してプログラムを展開していますが、内外の要請が高まり、活動の質、規模ともに深化・拡大し、事務局は多忙をきわめています。
事務局を手伝ってくれるスタッフを募集します。東京・大田区の事務局に週3回程度通うことができ、「英語」がきらいでない人、関心のある方、ご連絡ください。

 ●「ESDのためのKODOMOラムサール国際湿地交流in琵琶湖2012」報告●
 2012年8月4~5日、滋賀県琵琶湖で、「ESDのためのKODOMOラムサール国際湿地交流in琵琶湖2012」を開催しました。「ESDのためのKODOMOラムサール」実行委員会メンバーである積水化学工業の創立65周年事業「世界こどもエコサミット2012」(7月31日~8月8日)に協賛したもので、中国、韓国、タイ、ドイツ、オランダ、アメリカ、メキシコなど世界の積水関係事業所の従業員の子ども53人と、国内の従業員の子ども32人を招き、琵琶湖の子ども代表といっしょに、「水と人々の暮らし」をテーマにフィールド学習、活動発表、ディスカッションを通じて交流しました。
4日は午前中、遊覧船「ニューわかあゆ」号での琵琶湖のクルージングで、嘉田由紀子滋賀県知事を迎えての開会式のあと、琵琶湖大橋から近江舞子沖へ。滋賀大学の川嶋宗継先生の指導で水深40メートルの深層水をくみあげ、その透明度や冷たさを調査、体験しました。午後は彦根港に上陸し、琵琶湖固有種のビワマスの増殖事業に取り組む醒井(さめがい)養鱒場へバスで移動。ビワマスの生態を学習し、琵琶湖周辺の人たちがビワマスはじめ湖の魚を昔から多様に利用してきたことを、湖魚のフライや佃煮を味わって体感しました。
翌日は、県立琵琶湖博物館(草津市)で、琵琶湖を守るために子どもたちが取り組んでいるさまざまな活動発表を聞き、海外の子どもたちとともに「湖を守るために何をしたらいいか」をパネルディスカッション。琵琶湖博物館の見学を経て、2日間の日程を終えました。
このプログラムに参加、協力してくれた滋賀県びわっ子大使の日田琥珀、望月大地、小川悠暉、横川大樹、堤えりか、片山稀さん、高校生ボランティアの星野賢史、山本賢樹、岡本実樹さん、滋賀県の下村滋典、堀池知祥さん、国際湖沼環境委員会の佐藤智宏さん、淡海環境保全財団の田井中文彦さん、活動発表してくれたTANAKAMI子ども環境クラブ、アイキッズ、山内エコクラブのみなさん、RCJボランティアスタッフの小原季里子、山崎歩、中村聡子、長倉恵美子、中村秀次、大久保香苗、兵頭夏海、島谷幸一、斎藤真伍さん、そして今回もファシリテーターとして全体のプログラムをリードしてくれた中村大輔先生と川島宗継先生、どうもありがとうございました。




●「ESDのためのKODOMOラムサール国際湿地交流inハイデラバード」参加者募集●

10月6~9日CBD_COP11が開催されるインド・ハイデラバードで、COP10(名古屋)の「愛知ターゲット」のフォローアップと、COP11への参加をめざす、上記国際交流プログラムを開催します。10月5日午前中に日本を発ち、10日午後に帰国します。海外で、一人で自立して生活できる子ども(中学生以上)を募集しています。。参加費は5万円。締め切りは8月31日です。詳しくはRCJホームページをごらんください。ホームページが見られない人は、事務局までご連絡ください。


●「ESDのためのKODOMOラムサール<藤前干潟>」参加者募集●

愛知県名古屋市の「藤前干潟」を舞台に、国内版の子ども湿地交流を、11月17~18日の1泊2日でおこないます。全国のラムサール条約登録湿地で活動している小学生(高学年)で、これまで「KODOMOラムサール」活動に参加したことのない子どもを優先します。参加費は1万円です。
9月初旬に募集を開始します。詳しくはラムサールセンターのホームページでご案内します。
ホームページが見られない人は、事務局までご連絡ください。


バックナンバーへ