ラムサール通信
2011年2月8日発行 第136号


ラムサール条約40周年・国際森林年記念
●アジア湿地シンポジウム・サバ2011(AWS Sabah 2011)のお知らせ●
事前登録の受付開始、プレゼンテーション(発表原稿)を募集中です。

2011年7月18日(月)〜20日(水)、マレーシア国サバ州の州都コタキナバルで、「アジア湿地シンポジウム・サバ2011(AWS Sabah 2011)」が開催されます。サバ州政府、サバ大学、JICA、ラムサールセンター(RCJ)を中心に、マレーシア政府、日本環境省ほかが協力しての開催です。主要テーマは「生物多様性と湿地(Biodiversity and Wetlands)」。昨年の名古屋CBD_COP10で採択された「愛知ターゲット」の実現に向け、ラムサール条約と湿地の賢明な利用がどのように貢献できるかを探ります。分科会テーマは、「ラムサール条約と生物多様性条約(CBD)の連携」「ラムサール条約とCBDの履行のためのリージョナル・アプローチ」「森林と湿地」「ビジネスと湿地の生物多様性」「湿地と生物多様性のCEPA」「森林と湿地の文化的価値」の6領域。それぞれのテーマでプレゼンテーション(発表者、原稿)を募集中です。
 「アジア湿地シンポジウム(AWS)」は、1992年に日本の大津市と釧路市で開催されたのを皮切りに、2001年にペナン(マレーシア)、2005年にブバネシュワル(インド)、2008年にハノイ(ベトナム)で開催され、サバ会議は第5回会合にあたります。政府関係者や科学者だけでなく、NGO、CBO、企業、市民、学生など、湿地にかかわる広範なステークホルダーが参加し、討論し、情報交換するのがAWSの伝統です。
 詳細はホームページ http://www.awssabah.com.my/ へ。お問い合わせは、RCJ事務局へどうぞ。



ラムサール条約40周年・国際森林年記念
●「アジア湿地シンポジウム無錫2011(AWS Wuxi 2011)」開催決定●
2011年10月11日(火)〜13日(木)、中国江蘇省無錫市

 ラムサール条約の40周年を記念して、今年はAWSが2回、開催されます。これはAWSにとって初の試みです。第6回AWS「アジア湿地シンポジウム無錫2011(AWS Wuxi 2011)」は、中国国家林業局、江蘇省、ウェットランド・インターナショナル(WI)、ラムサールセンター(RCJ)、日本環境省ほかが協力し、10月11〜13日に中国の無錫市で開催します。上海の北西130キロ、長江デルタに位置する工業都市の無錫は、面積2200平方キロの淡水湖「太湖」のほとりの水郷で、多くの日本企業が進出しています。
 「AWS無錫2011」のテーマは「豊かな暮らしと湿地(Human Well-being and Wetlands )」。分科会は「湿地と森林管理」「湖沼と湿地」「湿地と気候変動、人間の健康」「水鳥と湿地」「湿地と農業」「湿地と観光」で、サバ会議とは異なった領域・課題がとりあげられます。2012年6月のラムサールCOP11(ルーマニア)に、アジア地域がどう具体的に貢献するかについても、集中した議論がおこなわれる予定です。「AWS無錫」の詳細は近日中に改めてご案内します。

AWSの概要、AWSサバのチラシ、協賛お願いなど、関連資料も同封します。ご覧ください。


●第86回<ワイズユース>ワークショップの報告●
「KODOMOバイダバ事業とESDへの貢献」


 2010年12月13日(月)に法政大学市ヶ谷キャンパスで、RCJ第86回<ワイズユース>ワークショップが開催されました。2009〜2010年事業の「KODOMOバイオダイバシティ」活動に関して、事務局と、協力した大学生ボランティア団体F A Nからの報告につづき、佐藤真久さん(東京都市大学准教授)から「ESD(持続可能な開発のための教育)とESDの10年」について、名執芳博さん(長尾環境財団)から「UNUとRCEの活動」について解説をしてもらいました。名古屋CBD_COP10に関しては、東京農業大学教授の安藤元一さん(RCJ会長)から「絶滅」をめぐる話題提供、名執さんから日本政府が提起した「SATOYAMAイニシアティブ」の報告をしてもらいました。 参加者は18人で、会員は名執芳博、安藤元一、武者孝幸、中村玲子、市川智子、小澤章子、長倉恵美子、城殿博、川嶋宗継、藤倉良、土居正典、亀山保、大久保香苗のみなさんでした。
 日本政府が提起して取り組む「国連ESD」運動を支援するため、KODOMO活動シリーズの成果をRCJでは今後、2014年を最終年度とする「ESDの10年」とリンクさせることを検討中で、2011年度地球環境基金にも「ESDのための『KODOMOラムサール』−持続可能な開発のための環境教育」を助成申請中です。


●JICA−BBECU事業(マレーシア)に専門家として市川智子さんが赴任します●
その<報告と激励>のワークショップを3月4日に開催します

 2008年の「AWSハノイ」開催直前時期から3年近く、RCJスタッフとして事務局を支えてきた市川智子さんが、このほどJICAの「ボルネオ生物多様性・生態系管理保全プログラム・フェーズU(BBECU)」プロジェクトに、湿地CEPA分野の専門家として赴任することになりました。任期は3月から2012年9月まで。任地はマレーシア国サバ州コタキナバル。7月の「AWSサバ2011」の開催地でもあり、市川さんはAWSサバをJICAスタッフとしてサポートすることにもなります。 
 RCJ関係者はこれまでもJICA事業にさまざまな形で協力をしてきましたが、事務局スタッフが招聘されて派遣されるのは初めてです。創設以来20年余、アジアのラムサールCEPAに集中しての国際協力をつづけてきたRCJの実績が認められたということでもあり、現地での活躍を祈りつつ、送り出したいと思います。
 そこで、市川さんの壮行をかねて、また3月は市川さんだけでなく、RCJ事務局の多くも、卒業や就職など新しい門出を迎えるときでもあり、仕事の定年を機にいよいよNGO活動に本腰を、と張り切る人もいるようですので、そんな人たちが集まって「RCJ交流」をメーンテーマとしたにぎやかなワークショップを開催します。

「ラムサール条約40周年記念・RCJ交流フェア」
(RCJ第87回<ワイズユース>ワークショップ)
  と き:2011年3月4日(金) 午後6時〜8時30分
  ところ:渋谷・勤労福祉会館
  (東京都渋谷区神南1-19-8   電話:03-3462-2511)
   ※JR渋谷駅から徒歩10分。公園通りを代々木公園に向かって右手。   パルコの向かいです。
  地図:http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kinro.html

 ゲスト:今年度活躍した人、来年度活躍が期待される人たちから、短いプレゼンテーションをしてもらいます。予定は、市川智子(RCJ事務局「BBECUに向かって」)、フローレスともこ(藤前干潟「劇団シンデレラ」座長)、藤倉まなみ(桜美林大教授「ESDについて」)、城殿博(JICA専門員「ニカラグワの湿地管理」)、新田一仁(東大大学院「環境省に就職」)、長倉恵美子(環境再生保全機構「アスベスト補償」、白石拓也(筑波大大学院「中国青海省の草原の生物多様性」)などなど。到着順に発言してもらう予定ですので、参加希望者は、できれば事前にご一報ください。

  参加費:3000円 (学生2000円)  ※ スナック・飲み物つきです。



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