ラムサール通信
2010年12月2日発行 第135号
●第86回<ワイズユース>ワークショップのお知らせ●
「KODOMOバイダバ事業とESDへの貢献」
名古屋市国際会議場で2010年10月11日に幕を開けた「生物多様性条約第10回締約国会議(CBD_COP10)」は、遺伝子組換え生物による生態系被害の回復などに関わる「クアラルンプール・名古屋補足議定書」、2020年までの保全目標を定めた「愛知ターゲット」、遺伝資源の利益配分など(ABS)に関わる「名古屋議定書」ほかを採択して、10月29日、終了しました。会議には179か国1万3000人、併催された「生物多様性交流フェア」には約12万人が参加しました。 2009年度から「KODOMOバイオダイバシティ(生物多様性条約と生きものを守る子どもたちの運動)」(地球環境基金助成)の実践を中心に、CBD_COP10の成功をCEPAの側面から応援してきたラムサールセンターは、生物多様性交流フェアに「KODOMOバイオダイバシティ」の展示ブースを開設し、全国から集まった47人の子どもたちといっしょに、運動の成果を発表しました。またオブザーバーNGOとして、会員20人以上が会議を傍聴しました。 COP10での活動の成功をもって、ラムサールセンターが「KODOMOラムサール」から「KODOMOバイダバ」へと5年間つづけてきた「KODOMO」運動は一区切りとなります。今回のワークショップでは、ラムサールCOP10、CBD_COP10に関係したCEPA活動を振り返りつつ、次のステップとして、すでに議論されてきたように、この事業を日本政府が提唱して進めている「ESD(国連・持続可能な開発のための教育の10年)」のまさにモデルプログラムとして提供することを、2014年のESDとりまとめ年を展望しつつ具体化させるために、ESDの専門家を招いて検討したいと考えています。 また久しぶりの開催ですので、会員の動向などを発表していただきたいとも考えています。 |
ラムサールセンター第86回<ワイズユース>ワークショップ |
●「KODOMOバイダバin COP10」には子どもたちがいっぱい● ラムサールセンターでは、2010年10月11〜29日のCBD_COP10・MOP5の期間中、名古屋国際会議場に隣接する白鳥公園での「生物多様性交流フェア」で、2009年4月から2年間のKODOMOバイダバ活動の成果を発表する「子どもたちのKODOMOバイオダイバシティ」ブースを開設・運営しました。 2009年4月の「KODOMOバイオダイバシティ<久米島の渓流・湿地>」から2010年8月の「KODOMOバイオダイバシティ国際湿地交流in琵琶湖」まで、計9回のKODOMOバイダバに参加した子どもたち360人を代表する47人が、23〜24日の「再会フェア」にはブースを訪れ、活動紹介のチラシやバイダバ・シールを来場者に配布しました。 ファシリテーターの川嶋宗継先生、中村大輔先生、積水化学工業のジェームズ・マクギールさんも駆けつけ、藤前干潟で活躍している劇団シンデレラのユニット「COP10ガールズ」も、生物多様性保全とCOP10の意義を歌と踊りで紹介するなど、メディアにも紹介されるにぎやかさでした。 期間中、「絶滅させたくない、いちばん好きな生きものはなに?」アンケートには714人が参加、176種の生きものの絵を描いてくれました。もっとも人気があったのはウサギ、ネコ、イヌなどの身近な飼育動物たちで、イルカ、クマ、トラ、カエル、カメ、メダカも健闘し、「人間」を描いた人も33人いました。集まった絵の一部と集計結果は、最終ページをごらんください。 ![]() KODOMOバイダバテントに集まった子どもたち ![]() 劇団シンデレラの「COP10ガールズ」も熱演 久米島から始まり、クッチャロ湖、漫湖、串本沿岸海域、蕪栗沼・周辺水田(2回)、片野鴨池、藤前干潟、琵琶湖と全国で開催してきた「KODOMOバイオダイバシティ」活動は、こうして無事終了しました。これまでのKODOMOバイダバで子どもたちがってきたポスターとキャッチフレーズは、生物多様性条約第10回締約国会議(CBD_COP10)に展示され、公開されます。 <来てくれた子どもたち> ○釧路湿原:佐藤奈津子、川村礼実 ○宮島沼:鈴木美歩奈、村上文瑚、坂本妃奈子、伊藤俊哉 ○蕪栗沼・周辺水田:佐瀬由紀恵 ○尾瀬:今井元海 ○谷津干潟:田辺篤志、吉井美帆、吉井美咲、吉井美月、長谷川眞咲 ○藤前干潟:佐藤湧馬、吉井友佳子、小ア加奈絵、佐藤勇一郎、 吉良朋晃、後藤香穂、仁田美央、浅井萌香、浅井玲人、 安井美月、安井大空、伏谷彩、伊藤優衣歌、長谷川咲、 吉水あゆか、木亜寿沙、戸澤瑠梨 ○矢並湿地:杉山賢太 ○彦谷ビオトープ:佐藤琢磨 ○根来山げんきの森:勝谷好博 ○琵琶湖:山本賢樹、荒井日和、星野賢史、井上想仁亜、堤えりか 伊藤愛子ロレイン BRAFFORD、木村優伽、望月大地、門田一峰 ○豊岡:西浦拓也 ○宍道湖:吾郷諒華、大谷慧 ○中海:石田咲歩子 ○屋久島・永田浜:樋口未歩 訪問人数 14湿地から47人 |
2010年11月6日(土)、JICA地球ひろば(東京・広尾)で、第85回<ワイズユース>ワークショップとして開催された「JFGE海外派遣研修<タイ・インド>報告会」は、今年8月18日〜9月8日の研修に参加した研修生と、地球環境基金関係者、RCJスタッフ、会員など16人が参加し、研修の行程に沿っての成果報告、研修生各自のテーマ別の報告など熱のこもったプレゼンテーションがつづき、充実した報告会となりました。 ラムサールセンターが同研修を受託したのは昨年の<タイ・バングラデシュ>研修につづき2回目ですが、15年以上にわたるRCJのアジア活動で培ったNGOや研究者のネットワークを生かし、草の根のNGO国際協力の現場を体験してもらえたのは意味がありました。 昨年度の研修参加者とはいまも交流がつづき、海外留学を決行した人、修論のテーマに途上国の環境問題を選んだ人など、具体的な成果が表れています。ハードな日程で、内容の濃い途上国の現場で3週間の体験を、研修生がこれからどう生かしていくのか、楽しみです。 |
2008年からの「トキと湿地プロジェクト」でご縁のあった酒類販売の「(株)やまや」さんから、10月5日、CBD_COP10開幕直前の絶好のタイミングで、「COP10に役立ててください」とのメッセージとともに24万5113円の寄付金が送られてきました。昨年同様、全国のやまやの店頭で、「トキと湿地プロジェクト」応援の募金をおこなっていただいた結果です。やまやさんの継続したご支援に深く感謝するとともに、店頭での募金の呼びかけに応えてくださった多くの方に、心からお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。 佐渡のトキ野生復帰事業は、飼育ケージ内のトキがテンに襲われた事故を乗り越え、今秋も第3次放鳥(13羽)に成功、オス1羽が初めて本州に渡ったことが確認されるなど、少しずつながら前に進んでいます。一足早く野生復帰への歩みをはじめた豊岡市のコウノトリ復活事業も順調に推移し、かつてのように日本各地の空をトキやコウノトリが舞う日が来るのは夢ではなくなりました。 ラムサールセンターでは、やまやさんのご厚意を具体的な活動に結びつけるためのワークショップ「もしも、トキが飛んできたら?」を再開する計画で、準備を進めています。 |
2002年度、ラムサールセンターが中国、韓国のNGOと協力し、「日本・中国・韓国3国子ども湿地交流」としてスタートさせた活動が、アジアの湿地を舞台にしたより大きな交流活動へと育ちました。 昨年度はタイ・クラビ湿地(ラムサール登録湿地)で開催されたイベントが、今年度はマレーシア・サバ州(ボルネオ島)のサンダカン市周辺を舞台に開催されます。地球環境基金から助成を受けているWI中国の主体事業で、現地の受け入れはサバ州森林局熱帯雨林ディスカバリーセンター。ラムサールセンター、WI日本、ウェットランド韓国、東アジアラムサール条約地域センターが協力します。 日程は2011年3月初旬の4泊5日(予定)で、熱帯雨林のカノピーウォーク、オランウータン保護リハビリテーション施設訪問、マングローブ湿地クルーズ、漁村訪問などの自然体験と、アジアの子どもたちとの湿地会議が計画されています。 日本からの参加者として3〜5人(小学校高学年〜高校生)を募集します。参加募集の詳細をご希望の方は、ラムサールセンター事務局まで電話、ファクス、またはメールでご連絡ください。 |
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2010RCJ忘年会(12月29日)のお知らせ | ![]() |
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年末恒例の忘年会と「暮れのお礼詣り」を、今年は以下のように計画しました。今年はKODOMOバイオダイバシティ、JFGE海外派遣研修、CBD_COP10対応と、事務局スタッフの多忙がつづいたため、ワークショップ開催や、情報交換会と称する飲み会もあまりできませんでした。1年間のごぶさたを一気に解消するために、懐かしい顔、久しぶりの顔をお待ちしています。 日時:2010年12月29日(水) 午後4時〜6時ごろ 最寄り駅・地下鉄都営新宿線「浜町」・浜町公園東南角の交 差点に面しています。 お礼詣り:水天宮(日本橋蛎殻町) |
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