ラムサール通信
2010年10月8日発行 第133号


●CBD_COP10に「生物多様性交流フェア」でブース出展します
「子どもたちの<KODOMOバイオダイバシティ>」への来場ご案内

生物多様性条約第10回締約国会議(CBD_COP10)が、いよいよ名古屋市で開幕します。湿地は、地球上でもっとも生物多様性豊かな生態系のひとつ。CBDはラムサール条約と密接に関係する、地球生態系保全のための条約です。その生物多様性条約会議のホストを、日本政府が務めます。1992年のワシントン条約京都会議、93年のラムサール条約釧路会議、97年の気候変動枠組み条約京都会議につぐ、国際貢献の重要な会議となります。
ラムサールセンターでは、10月11日(月)にはじまるカルタヘナ議定書第5回会合(MOP5)からCBD_COP10が終了する29日(金)まで、オブザーバーとして会議に参加します。
また、会議場前の広場で開催されるCOP10協賛「生物多様性交流フェア」に、「KODOMOバイオダイバシティ」展示ブースを出展します。2009〜2010年、全国9湿地で展開してきた「KODOMOバイオダイバシティ(生物多様性条約と生きものを守る子どもたちの運動)」(地球環境基金助成)の成果を発表し、子どもたちがつくった「お宝ポスター」、「メッセージ」「絵」などを掲示し、「生きものを守ろう」の声を、会議に参加する世界の人に伝えます。
展示ブースのタイトルは「子どもたちの<KODOMOバイオダイバシティ>」 (Children's KODOMO Biodiversity)。ブース番号は「エキスポゾーン」(白鳥公園)のNo.29ブースです。
10月23、24日には、KODOMOバイオダイバシティに参加した子どもたちの「再会フェア」を開催します。全国からKODOMOバイダバの参加者がやってくる予定です。この時間帯でなくても、期間中、ブースにはラムサールセンターのスタッフがいますので、多くのみなさんの来場をお待ちしています。



◆子どもたちの<KODOMOバイオダイバシティ>◆
Children's KODOMO Biodiversity


 場所:生物多様性フェア「エキスポゾーン」(白鳥公園) ブース番号:29
 開催時間:平日・祝日 9:30-18:30 / 土・日10:00-16:00 /
                  (最終日は15:00まで)
※「再会フェア」: 10月23日(土)14:00-15:00
           10月24日(日)11:00-12:00 / 14:00-15:00



●「KODOMOバイオダイバシティ国際湿地交流in琵琶湖」報告●

 2010年8月5日〜8日、「KODOMOバイオダイバシティ国際湿地交流in琵琶湖」(地球環境基金助成/ラムサールセンター、滋賀県、積水化学工業の実行委員会、環境省、高島市、国際湖沼環境委員会共催)が開催されました。
サロベツ原野、宮島沼、釧路湿原、蕪栗沼・周辺水田、谷津干潟、尾瀬、片野鴨池、藤前干潟、中海、宍道湖、屋久島・永田浜、漫湖、そして琵琶湖など国内16湿地と、アジアから韓国のシワ湖・ウーポ湿地、タイのクラビ干潟、中国の黄河、マレーシアのキナバタンガン川湿地の5湿地から、子どもたち78人が参加した、4日間の「国際」湿地交流となりました。1日目は、琵琶湖博物館で開会式をおこない、琵琶湖の生物多様性、人と生きものの共生について学び、2日目は、参加した各湿地での活動発表がおこなわれ、午後は、湖上遊覧船で琵琶湖の湖上学習と、生きものの豊かな田んぼなどの探索をしました。3日目は、中村大輔先生の指導によるKODOMO生きもの会議で、琵琶湖の宝探しと「劇団シンデレラ」のミュージカル鑑賞と、フィールドでの生きもの観察や、生きものさがしをおこないました。
 そして、4日目は、各グループの選んだ合計60の琵琶湖の宝から6つの宝と絵、キャッチコピーを決める最終会議をおこない、78人の子どもたちの3時間にわたるディスカッションによって、「KODOMOバイダバ<琵琶湖>」のポスターが完成しました。


久米島から始まり、クッチャロ湖、漫湖、串本沿岸海域、蕪栗沼・周辺水田(2回)、片野鴨池、藤前干潟、琵琶湖と全国で開催してきた「KODOMOバイオダイバシティ」活動は、こうして無事終了しました。これまでのKODOMOバイダバで子どもたちが作ってきたポスターとキャッチフレーズは、生物多様性条約第10回締約国会議(CBD_COP10)に展示され、公開されます。


「水田と湿地保全に関する国際ワークショップ」報告●

 KODOMOバイオダイバシティ琵琶湖開催中の8月7日、滋賀県高島市で、ラムサール条約決議X.31「湿地システムとしての水田の生物多様性の向上」(水田決議)の実施をめぐるフォローアップ会議が環境省、東アジア地域ラムサールセンター(RRC-EA、韓国)、WI-J、RCJなどの共催で開催されました。
ラムサール条約科学技術検討委員会(STRP)のRebecca D'Cruz、Amado Tolentino、Chen Kelin、Gea-Jae Joo、Mashhor Mansor)、Bishnu Bhandari、Ajit Pattnaik、Sanowar HossainなどRCJのアジア会員が多数参加し、2012年のラムサールCOP11までに、どんな検討を加え、経験や事例を集積していくべきか、検討がおこなわれました。日本からは副会長の磯崎博司、岩間徹と、事務局長の中村玲子ほかが参加しました。環境省から後日、レポートが発行される予定です。



●AWS、2011年はコタキナバル(マレーシア・サバ)と無錫(中国)で開催●

  上述会議と同時に、同地で2010年8月7日、次回「アジア湿地シンポジウム(AWS)」開催計画について検討する第1回国際運営委員会(AWS_ISC)も開催されました。2011年開催の招致を検討しているマレーシア・サバ州、中国・無錫市の代表者も参加し、公式に招致表明がされ、RCJのアジアメンバーが中心となってのISCで検討の結果、2011年には7月にマレーシア、10月に中国の2回のAWSを開催することが内定しました。詳細は、次回通信で報告します。