ラムサール通信
2010年7月12日発行 第131号


●RCJ2010年・第20回総会報告
CBD_COP10の成功を支援する2010年度活動計画を承認

5月29日(土)、JICA地球ひろば(東京・広尾)、セミナールーム401で、第20回ラムサールセンター総会が開催されました。創立満20周年という節目の年でしたが、昨年度承認された第7期(2009〜2012年)中期計画の中間年でもあることから、とくに記念行事などは計画せず、通常通りの総会とワークショップがおこなわれました。安藤元一会長はじめ、武者孝幸、中村玲子、亀山保、長倉恵美子、今井元海、市川智子、新田一仁、小松潔、苑原俊明、長谷川基裕、吉開みな、高井歩、平井朗、角田暢夫さんの15人の会員が参加しました。
  第7期のスタートだった2009年度の活動報告・決算報告を承認し、つづいて10月に開催される第10回生物多様性条約締約国会議(CBD_COP10)に向けて、「KODOMOバイオダイバシティ国際湿地交流in琵琶湖」の開催(8月)、2011年に開催が予定されている「第5回アジア湿地シンポジウム」の国際運営委員会、「水田と湿地保全に関する国際ワークショップ」(環境省、RCJほか共催)などを中心とする今年度活動計画を承認しました。
  ひきつづいておこなわれた第84回<ワイズユース>ワークショップでは、今井元海さん(尾瀬高校3年)から生物多様性国際ユース会議(8月)の事前研修(内蒙古)について、長谷川基裕さん(JICA専門員)からボルネオ島生物多様性保全事業(JICA_BEECU)についての報告などがおこなわれました。
  日本とアジアにおけるラムサール条約の普及と湿地の賢明な利用の実現を目標に、20年間こつこつと活動をつづけてきたRCJは、21年めの今年も、CEPA(対話、教育、参加、普及啓発)の重要性を再確認しつつ、歩みをつづけます。みなさんのご声援ご協力をお願いします。
  以下、RCJ2010年・第20回総会で承認された2009年度(2009年4月〜2010年3月)活動報告と2010年度(2010年4月〜2011年3月)活動計画を掲載します。会員には決算報告および2010年度予算計画を同封します。

T 2009年度(2009年4月〜2010年3月)活動報告/決算報告
  2009年度のラムサールセンター(RCJ)の活動は、次のラムサール条約COP11「ルーマニア/2012年春」を目標とした「第7期中期計画(2009年〜2012年)」の初年度活動として、前年の総会で決定した方針にしたがって、国内活動の「KODOMOバイオダイバシティ」を中心に進められました。
詳細はそれぞれの報告書、資料、ラムサール通信などをご参照ください。


「RCJ通信」第131号は盛りだくさんです。ほかのトピックもごらんください。



●セキスイKODOMOバイダバ<藤前干潟>報告・・・P5
●KODOMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>報告・・・P6
●KODOMOバイダバ国際湿地交流in琵琶湖・お知らせ・・・P6
●水田と湿地保全に関する国際ワークショップ・お知らせ・・・P6
●新「外来種・遺伝子組換え生物ハンドブック」発行・・・P7


なお、基本方針は「第6期中期計画」から継承され、基本方針を支える「基本認識」は、「第6期」でくりかえし論じられてきたとおりです。

1 アジア湿地シンポジウム(AWS):
 AWS2008で採択した行動計画「ハノイコール」のフォローと、次の第5回AWSの準備を開始する計画でしたが、KNCFの助成が不採択になったため、国際準備会合は開催できませんでした。しかし、アジアのRCJ会員と電子メールや各種国際会議での出会いをつうじて意見交換をし、開催地の「公募」をいくつかの国、団体に打診した結果、現在、マレーシア国サバ州政府(天然資源部)と中国政府(国家林業局)から招致表明がなされ、事務局が折衝中です。
2 KODOMOバイオダイバシティ:
「KODOMOラムサール」の成功を継承、発展させる活動として、「KODOMOバイオダイバシティ(生物多様性条約と生きものを守る子どもたちの運動)」事業を2年計画でスタートさせました。2010年10月に名古屋で開催される「生物多様性条約COP10」を成功させるためのCEPA活動であるとともに、ラムサール条約と生物多様性条約をリンクさせ、子どもたちの環境認識の深化をめざす全国的な活動として取り組まれました。
 滋賀県、積水化学工業株式会社と3つのセクターで実行委員会を組織して、「行政・企業・NGO」が一体となった、新しい枠組みのモデル事業として取り組むことができました。
全国37登録湿地を中心に、次のように活動が展開されました。

2009年
 4月25日 KODOMOバイダバ<久米島の渓流・湿地>@ *プレ運動
 5月30日   実行委員会(組織結成、運動方針決定、事業開始)
 7月25〜26日 KODOMOバイダバ<クッチャロ湖>A
 9月21〜22日 KODOMOバイダバ<漫湖>B
 11月14〜15日 KODOMOバイダバ<串本沿岸海域>C
 11月21〜23日 KODOMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>D
2010年
 2月21〜22日 KODOMOバイダバ<片野鴨池>E
 
年間6回、北海道から沖縄のラムサール登録湿地6カ所で「生きものを守る」運動が子ども179人、大人233人、合計412人の参加で展開され、中村大輔先生考案の「すてき探し」プログラムが大好評でした。今年度も、5月1日に藤前干潟で、セキスイKODOMOバイダバ<藤前干潟>を開催。   

3 トキと湿地プロジェクト:
 バンロックステーションワインの支援中止によって事業縮小をせざるをえなくなりましたが、日本の販売会社やまやの支援を受け、CBDにむけての戦略的意義を重視し、5月17日、新潟県の佐潟で「佐潟にトキが来たら、どうする?」ワークショップを開催しました。
その後、東京や能登半島、宮城県などで継続する予定でしたが、諸般の事情で頓挫しました。事業の扱いについて本総会で討議します。

4 生きものと人・共生の里を考えるシンポジウム:
 4年目の今年は、11月6日、鹿児島県出水市で開催されました。これで、大型鳥類の生息地をかかえる周南市(ナベヅル)、豊岡市(コウノトリ)、佐渡市(トキ)、出水市(ナベヅル・マナヅル)の4市による、もちまわり開催が一巡しました。企画・提案者として共催してきましたが、予想以上の大きな成果をあげることができました。今後は、CBDへの貢献を予定していますが、詳細は未定です。

5 エコライフフェア2009<湿地の恵み展>:
これも継続4年目の事業で、6月6〜7日に代々木公園で開催されました。今年度は、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議と共催となり、当初の企画目標に近づくことができました。FAネットワークや法政大学菊地ゼミの学生がボランティアをしてくれました。

6 湿地の保全と賢明な利用の推進のためのCEPA活動:
 前年度からの登録湿地拡大の「量」から、登録湿地の「質」の向上を目標とする方針にもとづき、モニタリングやマネジメント、関係市町村連絡会議への支援などのCEPA活動に取り組んできました。なかでも大きな成果は、『ラムサール条約と生物多様性条約ハンドブック(湿地と生きものを守る)』を発行できたことです。自然情報事務所の支援、磯崎博司副会長の執筆協力に感謝します。
COP10で4湿地追加されて37湿地になっても、まだ28都府県には登録湿地がなく、ラムサール条約と湿地への関心はまだまだ低いのが現状です。また、指定管理者制度導入による管理予算の削減、レンジャーなど指導者養成制度の未確立、国際協力視点の欠如など、課題は山積しています。

7 アジア湿地の学校プロジェクト<クラビ湿地>:
 日中韓子ども湿地交流が発展し、WI中国によるアジア事業となり、今年度は、12月23〜28日に、タイのクラビ湿地(ラムサール条約登録湿地)で開催されました。日中韓のほかにタイ、マレーシアが参加し、ホストのアマパニチュヌクン学校の全面協力で、大成功をおさめました。日本からは藤前干潟、琵琶湖の子どもたちが代表で参加しました。

8 海外NGOなどへの支援、協力活動:
今年度は、地球環境基金の代理人として次の団体の支援などに取り組みました。
・バングラデシュ・ポーシュ「気候変動適応リスクマネジメント開発モデル事業」;
南部のモヘシュカリ島低湿地帯でのプロジェクト。JFGE助成/3年事業の2年目
・パリシュリ「ビタカニカ湿地の環境再生アウェアネス活動」;
ラムサール登録湿地のマングローブ林再生事業。JFGE助成/3年事業の1年目

9 関連する受託事業:
・地球環境基金「海外派遣研修・活動体験コース」:
環境分野の国際協力活動への参加をめざす人材育成のため、海外でNGO活動を体験研修する事業を受託し、8月27日〜9月19日、タイとバングラデシュで、マヒドン大学〜WIタイ〜バングラデシュ・ポーシュを受入団体として、研修生7人を引率して実施しました。

・地球環境基金「国際協力講座」:
前年につづき受託し、環境省の生物多様性センター(富士吉田市)で、研修生35人の参加で開催しました。
・第13回世界湖沼会議「日中韓子ども湿地交流」
国際湖沼環境委員会(ILEC)から委託され、ILECと滋賀県のジョイント事業に、積水化学工業とともに協力、中国・武漢で、地元中国の子どもたち30人と、韓国(昌原)、滋賀県の子ども湿地会議をおこないました。

10 RCJの基本活動:
前年同様、RCJの最も重視している基本活動として、以下の活動に取り組みました。
1) ワイズユースワークショップの開催(2回開催)
   2) ラムサール通信の発行(122号〜129号、8回発行)
3) ホームページの運用(KODOMOバイダバの報告を中心に)
   4) 各種シンポジウム、ワークショップなどへの協力および参加(世界湖沼会議ほか)
   5) 海外NGOなどへの支援、協力活動(チリカ湖開発公社、JICAほか)

11 組織・事務局報告:
・会員: 114人(国内会員92人 海外会員22人)
 ・組織: 会長 安藤元一  副会長 磯崎博司/岩間徹/武者孝幸/林聡彦/菊地邦雄
  監事 亀山保
  事務局長 中村玲子  事務局スタッフ 市川智子/小沢章子/ボランティア

12 決算報告
別紙「決算報告」参照。


U 2010年度(2010年4月〜2011年3月)活動計画/予算計画

 今年度の活動は、「第7期中期計画(2009年〜2012年)」の2年目として、ラムサールCOP11(2012年春、ルーマニア)を目標に「アジア湿地シンポジウム」の開催を具体化し、準備を整えることと、「KODOMOバイオダイバシティ」の最終年として、8月の琵琶湖会議を成功させ、10月の名古屋CBDに成果をつなげること、この2つが最大の活動となります。
 昨年につづき、地球環境基金「海外派遣研修」(8月18日〜9月8日)を受託し、また、環境省と共催でラムサール「決議].31(水田決議)」のフォローアップ会議(8月上旬)の開催が予定され、10月まで、日程がびっしりです。会員の協力、積極的な参加をお願いします。
 主な活動計画、方針は以下のとおりです。

1 アジア湿地シンポジウム(AWS):
 AWSの開催について、現在、マレーシア国サバ州政府(天然資源部)と中国政府(国家林業局)から招致があり、どちらも重要、意義ある申し入れと判断し、次のように2回開催する計画です。
・2011年7月 マレーシア・コタキナバル(サバ州)で第5回「AWS」
・ 〃 11月 中国・無錫市(江蘇省)で第6回「AWS」
今年度活動の裏づけを予定した経団連自然保護基金は不採択でしたが、両国・団体とも財政支援には前向きで、また環境省の理解もあるので、工夫しながら進めていく計画です。
8月の「KODOMOバイダバ国際湿地交流in琵琶湖」を活用して、第1回AWS国際運営委員会を同期間中に開催する準備をすすめています。詳細は別紙。

2 KODOMOバイオダイバシティ:
2年計画の「KODOMOバイダバ(生物多様性条約と生きものを守る子どもたちの運動)」事業は、今年が最終年度で、地球環境基金助成が内定(700万円)し、活動はすでにスタートしています。
・5月1日 「セキスイKODOMOバイダバ<藤前干潟>」開催済
・6月19〜20日 「KOODMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>」開催予定
・8月5〜8日  「KODOMOバイダバ国際湿地交流in琵琶湖」開催予定
・10月11〜29日 「生物多様性条約COP10」成果発表予定
関連して、環境省主催「生物多様性国際ユース会議」(8月、名古屋)に、「KODOMOラムサール」と「KODOMOバイダバ」の歴代参加者代表3人が参加する予定です。
 なお、この「KODOMOバイダバ」運動は、10月以降も、各地の登録湿地・関係市町村などからの要請があれば、継続(支援)していく方向で検討します。

3 トキと湿地プロジェクト:
「ラムサール条約と湿地」にとって、とくに、放鳥トキをめぐっては重要なテーマであり、「中止」にしたくないと考えていて、「××にトキが来たら、どうする?」運動の継続の可能性を探ります。

4 生きものと人・共生の里を考えるシンポジウム:
 これも「トキ」事業同様、重要なテーマ、コンセプトであり、関係4市と継続の可能性を探ります。

5 エコライフフェア2010<湿地の恵み展>:
5年目の事業で、6月5〜6日、代々木公園で開催します。WI-J、登録湿地関係市町村会議と実行委員会を構成。今年は、全国22団体が参加予定で、過去最高です。FAネットや法政大学菊地ゼミの学生がボランティア協力をしてくれます。

6 湿地の保全と賢明な利用の推進のためのCEPA活動:
 ラムサール条約では、湿地の「登録」は必ずしも目的ではありません。登録は、むしろ「手段」と考えるべきでもあります。湿地の価値に優劣があるわけではなく、「すべての湿地」が守られなければならないからです。湿地を破壊、消失、劣化から保全するための「優先順位」はあるでしょう。
日本の登録は37湿地になりました。しかし28都府県には登録湿地がありません。問題はそうした地域で、湿地への関心が依然として薄いことです。「登録」はこうした地域にこそ焦点されるべきです。
RCJは、37登録湿地はじめ全国の湿地を調査、研究してきましたが、登録湿地の管理の不十分、レンジャーなど指導者養成の未確立、国際協力の視点の欠如を痛感しています。これらの課題の解決のためには、なんといっても「CEPA」活動の強化が必要です。新たなアイデアを開発していきます。

7 アジア湿地の学校プロジェクト:
今年度はマレーシアのジョホールで、11月に開催する予定です。国際交流事業として効果、意義の大きなプログラムなので、これまで同様、日本から子ども代表を派遣します。会員の参加を大歓迎。

8 海外NGOなどへの支援、協力活動:
地球環境基金の代理人として次の団体の支援を継続します。
・バングラデシュ・ポーシュ「気候変動適応リスクマネジメント開発モデル事業」;
南部のモヘシュカリ島低湿地帯でのプロジェクト。JFGE助成/3年事業の3年目
・パリシュリ「ビタカニカ湿地の環境再生アウェアネス活動」;
ラムサール登録湿地のマングローブ林再生事業。JFGE助成/3年事業の2年目
 ・このほかに、日本のいくつかの助成をうけた団体がありますので、そちらも支援します。

9 関連する受託事業:
・地球環境基金「海外派遣研修」:
今年度は8月18日〜9月8日、タイ(バンコク、チェンマイ、チェンライ)〜インド(コルカタ、ブバネシュワル、ビタカニカ国立公園、チリカ湖)で実施します。現在、参加者の募集中です。詳細は募集チラシ参照。関係者の応募をお願いします。
・地球環境基金「国際協力講座」:
好評、かつ、前年度テーマ(生物多様性)との関連で、今年度も企画入札応募の予定ですが、日程がきついので、協力団体との「共催」を検討中です。

10 RCJの基本活動:
これまで同様、RCJが最も重視している基本活動として継続します。昨年度のワイズユースWSは4回しか開催できませんでしたので、ことしは4回以上の開催をめざします。ラムサール通信は年6回の発行が目標です。なお、メール「連絡」は必要により、随時おこないます。
1) ワイズユースワークショップの開催
   2) ラムサール通信の発行
3) ホームページの運用(活動の報告を中心に)
   4) 各種シンポジウム、ワークショップなどへの協力および参加
   5) 海外NGOなどへの支援、協力活動

11 組織・事務局報告:
・会員: 会員数は10年以上、100〜130人で変動していません。当面、これを維持します。
 ・組織: 今年度は役員変更は予定していません。以下、留任します。
会長 安藤元一  副会長 磯崎博司/岩間徹/武者孝幸/林聡彦/菊地邦雄
  監事 亀山保
      事務局長 中村玲子  事務局スタッフ 市川智子/佐々木優/北本健人/ボランティア

12 予算計画: 別紙「予算計画」参照。


セキスイKODOMOバイオダイバシティ<藤前干潟>報告●

 2010年5月1日(土)、五月晴れの藤前干潟(愛知県名古屋市)で、積水化学グループ社員の家族を中心に、80人が参加して開催されました。谷津干潟(千葉県習志野市)、琵琶湖(滋賀県)から参加した子どももいて、スタッフやボランティアあわせて140人が集う大きなイベントとなりました。1泊2日のいつものKODOMOバイダバと違って、初めての日帰りプログラムとしておこなわれましたが、「劇団シンデレラ」の湿地ミュージカルを楽しんだ後、「藤前干潟を守る会」の協力による干潟の生きもの観察や、生きものビンゴ大会など、目いっぱい楽しんだ1日でした。会社をあげて協力してくださったセキスイハイム中部はじめ積水化学グループのみなさん、どうもありがとうございました。



KODOMOバイオダイバシティ<蕪栗沼・周辺水田>報告

  2010年6月19〜20日には、宮城県大崎市の蕪栗沼・周辺水田で、昨年11月についで2回目のKODOMOバイダバが開催されました。地元の蕪栗沼・周辺水田、化女沼、長沼、平筒沼などの湿地からの子どもを中心に、釧路湿原、宮島沼、藤前干潟、琵琶湖、中海、豊岡から、全部で28人が参加しました。越冬していた数万羽のマガンが繁殖地に帰ったあとの夏の田んぼでは、地元の農家の人たちが、農薬や化学肥料をできるだけ使わない米作りを実践していて、エビやカエル、トンボ、ドジョウ、さまざまな植物など、小さな命があふれかえっていました。子どもたちは田んぼに入ってどろんこになりながら、生きものを発見し、感触を楽しみ、ポスターとキャッチフレーズをつくりあげました。




●「KODOMOバイオダイバシティin琵琶湖」に、80人の子どもが参加します

 「KODOMOバイオダイバシティ国際湿地交流in琵琶湖」(8月5〜8日)には、日本とアジア(中国、韓国、タイ、マレーシア)から、80人の子どもが参加することが決まりました。現在、ラムサールセンターでは、滋賀県、高島市、積水化学工業、環境省など、活動のパートナーの方たちと密接に連絡をとりながら、開催に向けて準備を加速させています。
 KODOMOバイダバは、子どもたちに意識を集中して参加してもらいたいので原則、非公開ですが、最終日(8日)午前の「KODOMO生きもの会議」(8:00〜11:00・高島市安曇川公民館)は、どなたでも参観することができます。3日間のフィールド学習と交流にもとづき、子どもたちがみんなで力をあわせてポスターとメッセージにまとめる作業を、どうぞ応援しにきてください。とくに琵琶湖近郊の方のご来場を期待しています。詳しくは、ラムサールセンターまでお問い合わせください。



●「水田と湿地保全に関する国際ワークショップ」開催のお知らせ●
2010年8月7日(土)・高島市安曇川公民館(滋賀県)

  ラムサール条約第10回締約国会議(2008年 韓国・昌原)で、日本と韓国政府共同提案の決議案にもとづく決議X.31「湿地システムとしての水田の生物多様性の向上」(水田決議)が採択されたのは前にも報告しました。このたびこの決議をフォローし、具体的に実施するため、湿地の生態系サービスを提供するような持続可能な水田農法について、アジアの情報共有を図ることを目的とする国際ワークショップが開かれることになりました。
8月7日(土)10:45〜17:15(予定)、場所は滋賀県高島市の安曇川公民館です。環境省、東アジア地域ラムサールセンター、ラムサールセンター、高島市が共催、農水省が協力します。
  ラムサール条約科学技術検討委員会(STRP)のGeorge Lucaks(オーストラリア)、Rebecca D’Cruz(マレーシア)はじめ予定されている約20人のスピーカーのなかにはAmado Tolentino(フィリピン)、Chen Kelin(中国)、Gea-Jae Joo(韓国)、Mashhor Mansor(マレーシア)、Bishnu Bhandari(ネパール)、Ajit Pattnaik(インド)、Sanowar Hossain(バングラデシュ)などラムサールセンターのアジア会員も多数含まれています。
  決議X.31の採択後、日韓政府が協力して、その履行に関わるワークショップを開催するのはこれがはじめてです。興味のある方は、詳細についてラムサールセンターまでご照会ください。




●「アジア湿地シンポジウム」、2011年開催に向けて、準備を開始●


 2012年ルーマニアで開催される予定の第11回ラムサール条約締約国会議(COP11)に向けて、次回「アジア湿地シンポジウム(AWS)」開催計画についての検討が、具体的にはじまっています。その第1回国際運営委員会(AWS_ISC)を、上記「水田ワークショップ」にあわせて2010年8月7日(土)、滋賀県高島市で開催します。AWS開催候補地については、マレーシア・サバ州、中国・無錫市などが関心を表明しています。検討の進捗については、また随時、ラムサール通信で報告します。 




●新「外来種・遺伝子組換え生物ハンドブック」ができました●

  今年10月18〜29日、「生物多様性条約COP10」が名古屋市で開催されることは、マスメディアでも頻繁にとりあげられるようになりましたが、COP10にさきがけて10月11〜15日、遺伝子組換え生物の国境を越える移動、輸送、取り扱いを規制する「カルタヘナ議定書」(日本は2003年に締結)の第5回会議(MOP5)が、やはり名古屋市で開催されることは、あまり注目されていません。
  このカルタヘナ議定書や関連した国内法「カルタヘナ法」、そして生物多様性保全の実現と深く関係する外来種の管理にかかわる「外来生物法」などをわかりやすく解説した「外来種・遺伝子組換え生物ハンドブック」が発行されました。2007年に刊行して好評だった「外来生物・遺伝子組換え生物ハンドブック」(発行・自然情報事務所、監修・ラムサールセンター/磯崎博司/藤倉良)のリニューアル版です。350円で頒布中。RCJ会員には1冊献本します。この機会にぜひご活用ください。



●エコライフフェア2010「湿地の恵み展」、今年も盛況でした●

 2010年6月5〜6日、環境省主催の「エコライフ・フェア2010」が東京・渋谷の代々木公園で開催され、今年もRCJ、WI-J、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議が協力して「湿地の恵み展〜ラムサール条約湿地の観光と物産」を出展しました。5年目となる今回は、主催3団体に加えて過去最高の全国17の関係自治体・団体が参加し、北海道から九州まで9人の担当者が上京するなど充実したものとなりました。
参加団体がふえたので、毎年紹介している「湿地の恵み・湿地自慢」の物品も多様になり、ことしはパンフレットにまとめることができました。RCJ会員には1部ずつ同封します。お楽しみください。


◆ラムサールセンター活動日誌(2009年4月1日〜2010年3月31日)◆

4/21 KNCF「企業とNGOの交流会」(中村、市川、小澤)
4/24-26 第80回ワイズユースワークショップ、「KODOMOバイダバ<久米島の渓流・湿地>」開催(久米島/武者、中村、小澤、市川、岡本、佐々木、岩間、宮崎、鈴木和)
5/5 KODOMOバイダバ打合せ (安藤、亀山、武者、中村、川嶋、中村大、市川、小澤)
5/8 積水化学工業とKODOMOバイダバほか打合せ(中村)
5/12 「トキと湿地プロジェクト」、コンステレーションワインから支援打ち切り通告(武者、中村)
5/14-15 三方五湖、串本沿岸海域視察、串本町とKODOMOバイダバ打合せ(武者)
5/15 「第13回世界湖沼会議(武漢)」打合せ(大津/中村)
5/17 第81回ワイズユースWS「佐潟にトキが来たらどうする?ワークショップ」(新潟/安藤、武者、中村、市川)
5/19 平成21年度JFGE助成内定団体説明会(武者、市川、小澤)
5/30 RCJ総会、第82回ワイズユースWS、KODOMOバイダバ実行委員会設立会議(JICA地球ひろば/安藤、磯崎、岩間、武者、亀山、林、菊地、藤倉、中村、市川、小澤、川嶋、鈴木、中村大、苑原、新井)
6/6-7 エコライフフェア2009「湿地の恵み展」をWI-J、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議と共催でブース出展(武者、中村、市川、小澤、岡本、菊地、藤倉、長江、塩谷、田辺)
「KODOMOバイダバ<片野鴨池>」打合せ(加賀/中村、中村大)
6/27 「KODOMOバイダバ<クッチャロ湖>」打合せ(浜頓別町/中村、小澤、中村大)
7/1 「海外派遣研修」WIタイと打合せ(武者、中村、市川、Asae Sayaka)
7/9 「KODOMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>」打合せ(中村、小澤)
7/13 CBD_COP10 円卓会議(中村)
7/21 「KODOMOバイダバ<漫湖>」打合せ(豊見城市/中村)
7/25-26 「KODOMOバイダバ<クッチャロ湖>」開催(安藤、中村、小澤、中村秀、佐々木、辻井、川村、中村大)
7/26 「海外派遣研修」事前研修開催(JICA地球ひろば/武者、中村、市川、岩崎、大村)
7/29 「国際協力講座」日本マレーシア協会と打合せ(武者、中村、市川)
8/4 「海外派遣研修」JFGEと打合せ(中村、市川)
8/19 「KODOMOバイダバ<漫湖>」打合せ(豊見城市/小澤)
8/20-21 ラムサール条約登録湿地関係市町村会議出席(山口/磯崎、中村)
8/27-9/19 「海外派遣研修」実施(武者、中村、市川、岩崎、Asae Sayaka、Sansanee Choowaew、Sanowar Hossain)
9/21-22 「KODOMOバイダバ<漫湖>」開催(那覇市・豊見城市/磯崎、武者、中村、小澤、岡野、中村大)
9/1-4 JICAマレーシア国別研修「環境教育」協力(安藤、中村、黒沢)
9/22 JICA/ILEC水環境教育研修講師(谷津干潟/川嶋、長江)
10/4-5 「KODOMOバイダバ<串本沿岸海域>」打合せ(串本町/中村、中村大)
10/17-18 「国際協力講座」開催(富士吉田市/安藤、磯崎、武者、中村、市川、小澤、岡本、Woo-Shin Lee)
10/24 「KODOMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>」打合せ(大崎市/市川、中村大)
10/26 「KODOMOバイダバ<片野鴨池>」打合せ(加賀市/中村)
10/28 CBD_COP10への取り組みについて環境省と打合せ(中村)
10/31-11/4 第13回世界湖沼会議「日中韓こども湿地交流」(中国・武漢/中村、川嶋、中村大、Chen Kelin)
11/6 「生きものと人・共生の里を考える」シンポジウム(出水市/岩間、中村、末松、西岡)
11/7 第83回ワイズユースWS「海外派遣研修報告会」開催(JICA地球ひろば/安藤、中村、市川、小澤、亀山、土居、長倉)
11/13 「ラムサール条約と生物多様性条約ハンドブック」発行
11/14-15 「KODOMOバイダバ<串本沿岸海域>」開催(串本町/武者、中村、小澤、市川、岡本、川嶋、中村大)、KODOMOバイダバ実行委員会開催
11/17-20 昌原宣言ネットワーク会議(韓国・昌原/岩間、Rebecca D'Cruz、Chen Kelin、Gea-Jae Joo)
11/21-22 「KODOMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>」開催(大崎市/武者、中村、小澤、市川、佐々木、中村大、川村、亀山)
11/22 FAネットワーク「20周年記念式典」に参加(市ヶ谷/中村、富岡、赤瀬、新井、大村、掛下、榊原、長江)
11/29-12/5 交流協会派遣による「台湾の湿地保全協力」(台湾/中村)
12/18-22 パリシュリ「JFGEビタカニカ プロジェクト」(インド)の視察(インド/武者、中村、D.P.Dash、Ajit Pattnaik)
12/23-28 「日中韓タイ・マレーシア湿地の学校ネットワーク交流」に参加(タイ・クラビ/武者、中村、市川、Chen Kelin、Gea-Jae Joo、Woo-Shin Lee、Asae Sayaka、Sansanee Choowaew)
1/16-17 ラムサール条約登録湿地関係市町村会議「学習交流ワークショップ」に参加(加賀市/中村、市川)
1/25-2/12 JICA/BBEC短期専門家(CEPA)として協力(マレーシア・サバ/中村)
2/2-11 JICA/BBEC短期専門家(CEPA)として協力(マレーシア・サバ/亀山)
1/31 「KODOMOバイダバ<片野鴨池>」打合せ、三方五湖視察(加賀市、若狭町、美浜町/市川、中村大)
2/20-21 「KODOMOバイダバ<片野鴨池>」開催(加賀市/武者、中村、市川、中村秀、大久保、赤瀬、新田、川嶋、中村大)
3/6-7 八代自然再生座談会(周南市/中村、島谷、末松、西岡)
3/7-8 「セキスイKODOMOバイダバ<藤前干潟>」打合せ(名古屋市/中村、市川)
3/8 KODOMOバイダバ実行委員会(滋賀県/中村、市川、川嶋、中村大)
3/15-22 バングラデシュ・ポーシュ「JFGEモヘシュカリ・プロジェクト」の視察(バングラデシュ/市川、新田、Sanowar Hossain)
3/18 「セキスイKODOMOバイダバ<藤前干潟>」セキスイハイム中部ほかと打合せ(名古屋市/中村)
3/28 「オオヒシクイシンポジウム福島潟」に参加(新潟市/中村)





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