ラムサール通信
2010年3月30日発行 第129号
2010年第1号のラムサール通信をお送りします。生物多様性条約第10回締約国会議(CBD_COP10)が日本で開催される今年も、ラムサールセンターは湿地CEPAのいっそうの推進をめざして、子どもたちへの環境教育プログラムを中心に、盛りだくさんの活動をつづけます。5月で設立満20年を迎えます。これからもご支援よろしくお願いします。 |
●2010年度「KODOMOバイオダイバシティ」活動がスタートします●
ラムサールセンター(RCJ)では、2010年10月に名古屋市で開催CBD_COP10に子どもたちの声を届けることを目標に、「KODOMOバイオダイバシティ(生物多様性条約と生きものを守る子どもたちの運動)」(地球環境基金助成)を昨年度からおこなってきました。行政(滋賀県)、企業(積水化学工業株式会社)、NGO(ラムサールセンター)のパートナーシップに基づく実行委員会を構成し、2009年度は「久米島の渓流・湿地」「クッチャロ湖」「漫湖」「串本沿岸海域」「蕪栗沼・周辺水田」「片野鴨池」の6つのラムサール登録湿地でKODOMOバイダバを開催、180人の子どもが参加しました。 |
2010年6月19日(土)〜20日(日 冬の間は日本有数のマガンの越冬地としてにぎわう蕪栗沼とその周辺の水田には、 2010年8月8日(木)〜8日(日) ◆KODOMOバイオダイバシティ国際湿地交流in琵琶湖(滋賀県)◆ |
●KODOMOバイオダイバシティ<片野鴨池>報告●
全国6湿地から29人の子どもが参加。カモの生態や伝統文化について学びました
2月20〜21日、石川県加賀市のラムサール条約登録湿地「片野鴨池」で「KODOMOバイオダイバシティ<片野鴨池>」(地球環境基金助成)が開催されました。今回で6回目の「KODOMOバイダバ」活動です。主催は加賀市、(財)日本野鳥の会、片野鴨池周辺生態系管理協議会、KODOMOバイダバ実行委員会(RCJ、滋賀県、積水化学工業)で、環境省中部環境事務所、石川県、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわ・オペレーティングユニットが後援、大聖寺捕鴨猟区協同組合、鴨池観察館友の会、片野鴨池坂網猟保存会、片野町、大聖寺下福田町、日本野鳥の会石川支部、加賀市昆虫調査会、加賀ライオンズクラブ、FAネットワークなどの協力を得ておこなわれました。 |
<<<<会員短報>>>>> 「日中韓子ども湿地交流」、「KODOMOラムサール」、「KODOMOバイオダイバシティ」など RCJの子ども向けの環境教育プログラムに2003年から参加し、 さまざまな場面でリーダーシップを発揮していた田辺篤志くんが、 高校を卒業、4月から長崎大学水産学部に進学することになりました。 KODOMO活動は終了します。なお卒業にあたり、「生徒会功労賞」を受賞しました。 地元「谷津干潟」でのボランティア活動や、KODOMO活動への貢献が認められたものです。 |
ラムサール通信第127号(11月18日発行)で、ラムサールセンター運転資金の緊急支援協力のお願いをしたところ、多くの方からつなぎ融資と寄付金の申し出をいただき、1か月足らずで目標額をクリアすることができ、さらに多くの方からの寄付金が届きました。ここに現在までの実績と協力者のお名前を改めて掲出し、お礼を申し上げます。 (1)つなぎ融資協力:達成額1,400,000円 協力者: 亀山保、岩間徹、土居正典、名執芳博、新井雄喜、長江珠子(敬称略) (2)寄付金協力:達成額497,569円 協力者: 藤倉良、園部浩一郎、古川博、田北徹、狩野信子、船木邦雄、 佐々木純一、山本幸正、仲山章、安田昭三、鈴木和信、田辺篤志、長尾康、 島谷幸宏、後藤優美、黒沢優子、田井中文彦、城殿博、やまや(敬称略) |
ラムサールセンターと、中国、韓国のNGOが協力して2002年から続けている「日本・中国・韓国子どもたちの湿地交流」は、2008年から参加国がタイ、マレーシアへとひろがり、2009年12月23〜28日に、タイ南部、クラビ市のラムサール登録湿地(マングローブ湿地)で、「湿地の学校ネットワーク交流」としておこなわれました。日本からは琵琶湖代表(1人)と藤前干潟代表(3人)の4人の子どもが参加し、韓国、中国、マレーシア、そしてタイの子どもたちと交流しました。アンダマン海に面したクラビ湿地は、外国の観光客も多数おとずれるビーチリゾートで、海辺に発達した豊かマングローブ林から市街地までがすっぽりとラムサール条約に登録されているユニークな湿地の町です。船でフィールド観察し、マングローブ林の中の村を訪問し、エビ養殖場の跡地に、マングローブ植林をしました。2008年8月「KODOMOラムサール国際湿地交流in新潟」に子ども代表を送ってくれたアマパニチュヌクン学校が今回のホスト役で、第2外国語で日本語や中国語を学習している生徒たちが、それぞれの国の童謡を歌って歓迎してくれました。RCJ会員では武者孝幸、中村玲子、市川智子、Chen Kelin、 Gea-Jae Joo、 Woo-Shin Leeさんが参加しました。 |
ラムサールセンター2010年度総会は、5月29日(土)に開催します。 会員の方は、ぜひ出席をお願いします。 詳細は改めてご案内します。 |
環境省が、2010年8月23〜26日、CBD_COP10に向けて世界の青少年の生物多様性に関する認識の向上を目的として開催する「生物多様性国際ユース会議in愛知2010」に、「KODOMOラムサール」や「KODOMOバイオダイバシティ」活動に積極的に参加した実績をもち、RCJが推薦した佐藤奈津子さん(釧路湖陵高校2年)と大谷慧さん(島根大付属中学3年)が参加することになりました。会議は、日本と世界からおよそ100人の青少年(15〜25歳)を招いて開催される計画で、2月〜3月に参加を希望する日本人(約30人)の公募がおこなわれ、世界の若者と積極的に意見交換するための英語力はもちろん、生物多様性の基礎知識や、環境保全活動の実績などについて厳正に審査された結果です。 国際ユース会議での議論や成果は、最終的に宣言などにまとめられ、8月27日の発表会で一般に発表されるほか、CBD_COP10の場でも参加者代表によって発表される予定。佐藤さんと大谷さんの2人が会議に参加することを通じて、RCJのKODOMO活動の実績や成果が世界の若者と共有、評価され、最終の宣言にも反映されることが期待されます。 |
2010年1〜2月にかけて、RCJ事務局長の中村玲子さんと監事の亀山保さんが、JICAがマレーシアのサバ州で展開してるBBEC(ボルネオの生物多様性・生態系保全プログラム)フェーズU事業に、CEPA(対話・教育・参加・普及啓発)分野の短期専門家として協力しました。マレーシアは、サバ州東海岸のマングローブ湿地を「キナバタンガン・セガマ川下流湿地」として、2008年にラムサール条約に登録。現在JICAの協力を得て、サバ州生物多様性センター(SaBC)が中心になって湿地管理計画を作成中です。その管理計画のなかのCEPA行動計画や、ビデオやポスターなど具体的な環境教育のツール作りへの助言が主な仕事でした。そのときの亀山さんのレポートが以下に掲載されています。http://www.bbec.sabah.gov.my/japanese/wn_ramsarcepa_jp.php なお亀山さんは4月8日から、環境教育ビデオ撮影の現場に立ち会い、編集作業に助言するため、再度、マレーシアを訪問することになっています。 |
ラムサールセンター会員の方、2010年度の会費(8000円)をお待ちしています。 新入会も歓迎します。どうぞよろしくお願いします。 |
振込み先:三井住友銀行 下丸子(しもまるこ)支店(810) (普通預金) 0684084 名義:ラムサールセンター事務局長中村玲子 郵便振替口座 00130−7−547767 名義:ラムサールセンター |