ラムサール通信
2009年12月16日発行 第128号

●緊急財政支援協力、目標額を達成。温かいご協力に心から感謝します●

  ラムサール通信第127号(11月18日発行)で、年末にかけて緊急のラムサールセンター運転資金支援協力(目標額150万円)のお願いをしましたが、おかげさまでさっそく、つなぎ融資と寄付金の申し出をいただき、目標額をクリアすることができました。
これで安心して、計画どおりに活動を継続することができます。ここに12月15日現在の実績と協力者のお名前を掲出し、心からお礼を申し上げます。

(1)つなぎ融資協力:達成額1,400,000円
  協力者の方々: 亀山保さん、岩間徹さん、土居正典さん、名執芳博さん、
新井雄喜さん、長江珠子さん
 
(2)寄付金協力:達成額234,000円
  協力者の方々:
藤倉良さん、園部浩一郎さん、古川博さん、田北徹さん、
狩野信子さん、船木邦雄さん、佐々木純一さん、山本幸正さん、
仲山章さん、安田昭三さん、鈴木和信さん
 経済状況が低迷し、けっして暮らしやすくはない現状を考えたとき、日本とアジアの湿地保全を推進するというラムサールセンター活動の意義を認め、支えようとする人々がたくさんいる事実に、あらためて身の引き締まる思いです。みなさまの厚意をしっかりと受け止め、今後の活動に生かすとともに、財政的にもより確かな基盤をもてるように努力したいと思います。ありがとうございました。今後とも引き続き、ラムサールセンターへのご理解とご支援をよろしくお願いします。  



●RCJ忘年会(12月29日)のお知らせ●

 ラムサールセンターの忘年会を、下記のとおり開催します。毎年恒例となった「暮れのお礼参り」は、今年は「穴守稲荷神社」(大田区)へ行きます。希望者には、RCJ事務局見学ツアーも計画しています。みんなで1年をふりかえり、来年の活動を展望しましょう。  
だいたいの人数を把握するため、参加希望者は、事前に事務局にご一報ください。

日時 :  12月29日(火) 午後4時〜7時 
会場 :  小町鮨 (大田区久が原3-37-3  TEL:03-3751-0336) 
集合 :  東急池上線「久が原駅」
 ※小町鮨は、久が原駅から徒歩3分です。
 ※希望者にはRCJ事務局見学オプショナルツアーあります。
 
会費 : 3000円(学生割引、酒豪・高齢者割増あり)
 ※中途からの参加、早退もOKです。ゴーカ?景品ビンゴ大会もあります。
 ※「暮れのお礼参り」に参加する方は、京浜急行線「穴守稲荷駅」改札前
  (1つしかありません)に午後2時に集合してください。
 



●「トキと湿地プロジェクト」へ、「やまや」から141,569円の寄付をいただきました●

 このたび、酒類販売の株式会社「やまや」から、全国200店舗の直営店店頭で展開したトキ支援募金の第1回回収金としての141,569円を、RCJ活動に活用してほしいと寄付していただきました。
バンロックステーションワインのの湿地にトキが渡ってきても不思議はありません。突然の支援打ち切りで、活動を縮小している「トキと湿地プロジェクト」ですが、佐渡での第2回の放鳥も無事に実行され、いまや20羽以上の野生のトキが、佐渡や新潟の空を舞っています。近い将来、日本のどこに舞いおりても不思議ではありません。
 この温かい支援金を基礎に、ワークショップ開催など、できるだけの活動を継続していきたいと思います。バンロックステーションの撤退にもかかわらず、支援を継続してくれた「やまや」さん、また全国の「やまや」店頭で、買い物のかたわらトキ保護募金に協力してくださった、見知らぬ多くの方々に、心から感謝します。どうもありがとうございました。



●KODOMOバイダバ<串本沿岸海域>報告●
各地から39人の子どもが参加して、海とサンゴを学びました


 11月14〜15日、和歌山県串本町で「KODOMOバイオダイバシティ<串本沿岸海域>」(地球環境基金助成事業)が開催されました。今回で4回目の「KODOMOバイダバ」活動です。主催は串本町、串本海中公園センター、KODOMOバイダバ実行委員会(ラムサールセンター、滋賀県、積水化学工業)。環境省近畿地方環境事務所、和歌山県、和歌山県教育委員会、串本町教育委員会、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議の後援、サンゴを食害する動物駆除実行委員会の協力、串本町観光協会、和歌山県東漁協協同組合の協賛を得ておこなわれました。
地元串本沿岸周辺からの15人をはじめ、和歌山県内(14人)、積水化学(3人)、釧路湿原(1人)、藤前干潟(1人)、琵琶湖(5人)の計39人の子どもたちが参加しました。
 1日目は、宇井晋介さん(串本海中公園センター)の「串本の海について」のお話のあと、グループごとにフィールドへ出て、串本の海を特徴づけている生きものや風景など、「串本沿岸海域の“宝”探し」をしました。あいにくの天候で、予定していたスノーケルが中止になってしまいましたが、水族館やバックヤード見学では串本の海にいる魚を観察し、ウミガメやヒトデに触れたり、海中公園の海岸を歩きながらいろいろな貝やサンゴを拾ったりして、串本の「生物多様性」について学びました。
その後、御前洋さん(サンゴを食害する動物駆除実行委員会)の「サンゴと食害について」のお話を聞き、フィールド活動をとおして感じた「串本沿岸海域の宝はなにか」をグループで話し合い、グループごとに6つの“宝”を選び、イラストとキャッチコピーを考えました。
 翌日はグループごとの「串本沿岸海域の“宝”ランキング」を発表。ファシリテーターの中村大輔先生の司会のもとにさまざまな意見を出しあって、串本沿岸海域を代表する6つの宝とイラストを選び、全体キャッチフレーズを決め、KODOMOバイダバ<串本沿岸海域>ポスターを完成させました。
 39人の子どもたちが選んだ「串本沿岸海域の宝」は次の6つでした。
 1位:「サンゴ」「ウミガメ」「魚などさまざまな生物」
 2位:「貝殻」「サンゴを守る人」
 3位:「思い出」
キャッチコピー:「奇跡!驚き!!大発見!!!ぼくらの一番好きな海」
数ヶ月前からのさまざまな準備作業にはじまり、地元の食材を使ったおいしい昼食の提供やフィールドガイドなど、串本町や串本海中公園センターのみなさんにはたいへんお世話になりました。ありがとうございました。



●KODOMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>報告●
全国10湿地から21人の子どもが参加して、マガンのことを学びました

 11月21〜22日、宮城県大崎市の蕪栗沼で「KODOMOバイオダイバシティ<蕪栗沼・周辺水田>」(地球環境基金助成事業)が開催されました。4月に久米島から始まった「KODOMOバイダバ」活動は、今回で5回目。主催は大崎市とKODOMOバイダバ実行委員会(ラムサールセンター、滋賀県、積水化学工業)。後援に環境省東北地方環境事務所、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議、仙台広域圏ESD・RCE運営委員会、協力にNPOの「蕪栗ぬまっこくらぶ」「田んぼ」が加わり、みどりの農業協同組合、(株)一の蔵が協賛しました。地元宮城県からは開催地の蕪栗沼(5人)をはじめ、伊豆沼・内沼(3人)、化女沼(2人)、平筒沼(1人)、長沼(2人)、県外からは青森県仏沼(1人)、北海道釧路湿原(1人)と宮島沼(3人)、千葉県谷津干潟(1人)、石川県片野鴨池(2人)の計21人の子どもたちが参加しました。
 1日目の開会式の歓迎挨拶では、地元の高校生の佐瀬由紀恵さんが蕪栗沼の紹介をしてくれました。その後フィールドに出て、加護坊山から蕪栗沼・周辺水田を一望しながら、「蕪栗ぬまっこくらぶ」の戸島潤さんから説明をしてもらい、それぞれのグループに分かれて、農家の方たちにお話を聞きに行きました。夕方には蕪栗沼に行き、越冬中の7万羽のマガンのねぐら入りを観察しました。
 冬水田んぼのお米を使ったもちつきをした夕食でお腹いっぱいになった後、大崎市の鈴木耕平さんからマガンの1日の話を聞き、「蕪栗沼の宝」会議が始まりました。すぐ決まったグループも何度も話し合っていたグループも、楽しそうにポスターやキャッチコピーを考えていました。
 2日目は日の出よりも早く蕪栗沼に行き、マガンの飛び立ちを観察。会議の場所を大貫地区公民館に変え、各湿地の活動発表をした後、各グループのお宝ランキングをもとに、中村大輔先生の司会で蕪栗沼の「お宝」ポスターとキャッチコピーを話し合い、KODOMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>ポスターを完成しました。蕪栗沼のお宝ランキング6つとキャッチコピーは以下でした。
 1位:「マガン」「蕪栗沼の周辺の自然」「蕪栗沼」
 2位:「農家」「共存」
 3位:「冬水たんぼ」
キャッチコピー:「マガンも大好き!ぼくらも大好き!みんな大好き蕪栗沼」
 
また、今回は、KODOMOバイダバと並行して、大崎市、仙台広域圏ESD・RCE運営委員会、ラムサールセンターの共催で大人向けの「生物多様性・環境教育研修ワークショップ」(仙台広域圏ESD・RCE学び合いセミナー)を同時開催。宮城県下の七ヶ宿や、気仙沼でESD(持続可能な開発のための教育)に取り組んでいるNPOや、ラムサール登録湿地の宮島沼、片野鴨池などの湿地センターのレンジャーが環境教育への取り組みを、積水化学工業が企業としての生物多様性保全への取り組みなどを事例報告しあい、有意義な共有の機会となりました。
 KODOMOバイダバ<蕪栗沼・周辺水田>開催にあたって、お世話になった多くのみなさまにこの場を借りてあらためてお礼をいいます。ありがとうございました。
 次回のKODOMOバイダバは、2010年2月20〜21日、石川県片野鴨池で開催します。同封のチラシをごらんください。ふるっての参加をお待ちしています。




●ラムサールセンターの年末年始●

          12月29日     2009年の仕事納め。忘年会
            1月6日     2010年の仕事初め

よいお年をお迎えください。2010年(CBD_COP10の年)も、よろしくお願いします。 



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