ラムサール通信
2009年10月20日発行 第126号

●第83回<ワイズユース・ワークショップ>のお知らせ●
JFGE海外派遣研修<タイ・バングラデシュ活動体験コース>報告会
11月7日(土) 午後1時30分〜5時/JICA地球広場

 ラムサールセンター(RCJ)は、環境再生保全機構・地球環境基金(JFGE)が主催する「平成21年度 海外派遣研修(活動体験コース)」事業を受託し、<タイ・バングラデシュ活動体験コース>として、8月27日〜9月19日の24日間、タイ〜バングラデシュ両国で、研修生7人の参加によって実施し、無事終了しました。その成果、まとめの報告会を下記要領で開催します。
 研修は、開発途上国の環境NGO活動の実際を「参加・体験」するもので、RCJアジアメンバーのタイのマヒドン大学(サンサニ教授)、ウエットランドインターナショナル・タイ(アセ・サヤカ代表)、バングラデシュのポーシュ(サノワ・ホセイン代表)の協力を得て、タイ南部の「スラタニ・バンドン湾沿岸マングローブ林」「クラビ・ラムサール条約登録湿地」、バングラデシュ東南部の「モヘシュカリ島沿岸村落」で地元住民と一体となって取り組む、マングローブ植林・環境再生、漁業資源回復・貧困軽減、環境教育、気候変動適応・自然災害リスクマネジメントなどの環境NGO活動に、現地ホームステイするなどして参加し、実践・体験してきました。
 研修生7人は、開発途上地域での環境保全活動に関心をもち、将来、海外でのNGO活動への参加をめざす、全国から集まった意欲的な青年たちです。彼らが体験、学習してきた開発途上地域の最新の環境問題の現状と課題、そこから彼ら自身が考える「やりたいこと・できること」を発表してもらう、まとめの報告会です。アジアのマングローブ林保全などの最新情報も。
JFGE活動関係者、RCJ会員、アジアの環境問題・NGO活動に関心をおもちのみなさん、ぜひご参加ください。会の終了後、研修生を囲んで交流会も予定しています。
なお、この報告会はRCJ<ワイズユース・ワークショップ>のプログラムとして開催されます。

 日 時: 2009年11月7日(土) 午後1時30分〜5時
場 所: JICA地球ひろば セミナールーム202
      (東京・渋谷区広尾 地下鉄日比谷線「広尾」3番出口徒歩3分。
       電話:03-3400-7717)
プログラム:第1部 「海外派遣研修<タイ・バングラデシュ活動体験コース>報告」
           ・主催者挨拶(環境再生保全機構・地球環境基金)
           ・研修事業の概要報告(ラムサールセンター)
           ・現地活動体験の報告(研修生)
             松原和紀(JANIC)、花村さくら(山梨県立大)、
             高津戸佑嘉子(立命館アジア太平洋大)、古橋愛(東京外語大)、
             建部恵世(NGOスタッフ)、池田廉(宇都宮大)、
             川合晋平(神戸大大学院)
           ・質疑応答
      第2部 ラムサールセンター活動報告
            ※終了後、会場近くで懇親会があります





●「KODOMOバイダバ<漫湖>」(沖縄)報告●
11湿地から28人の子どもが参加しました

 2009年9月21〜22日、ラムサール条約登録湿地「漫湖」(沖縄県那覇市・豊見城市)の漫湖水鳥・湿地センターで「KODOMOバイオダイバシティ<漫湖>」(地球環境基金助成)が、漫湖水鳥・湿地センター運営管理協議会とラムサールセンターの共催で開催されました。
 地元の漫湖からの9人をはじめ、カーミージー湿地(3人)、久米島の渓流・湿地(5人)、名蔵アンパル(2人)、谷津干潟(2人)、宮島沼(2人)、宍道湖、釧路湿原、蕪栗沼・周辺水田、藤前干潟、琵琶湖(各1人)の28人の子どもが参加しました。
 1日めは、磯崎博司先生(明治学院大学教授)の「生物多様性条約について」の話があり、生物多様性というのは、ただ生きものが「多い」ということだけではなく、生きものがそれぞれ「違っている」ということが大事だということを学びました。そのあと、フィールドに出て、地元のガイドの先生たちに助けられながら、グループごとに「漫湖の“宝”探し」をしました。マングローブ林を橋の真上から観察し、干潟に降りてトントンミー(ミナミトビハゼ)やカニとご対面。夜の部では、グループごとに“宝”を6つ選んで、イラストとキャッチコピーを考えました。
 2日め。ファシリテーターの中村大輔先生の司会で、グループごとの「漫湖の宝」ランキングを発表。みんなで意見を出し合って、漫湖を代表する6つの宝とイラストを選び、全体キャッチコピーを決めました。そしてKODOMOバイダバ<漫湖>のポスターを完成させました。
みんなで選んだ6つの「漫湖の宝」とキャッチコピーは、以下のとおりです。
1位:「漫湖を支える人たち」、「ムナグロ」、「クロツラヘラサギ」
2位:「トントンミー」、「マングローブ」
3位:「モモイロサギガイ」
キャッチコピー:「生き物(みんな)の楽園 ステキな漫湖へめんそ〜れ〜」

 前日の9月20日には、やんばる地方の生物多様性を知るオプショナルプログラム「やんばるの森ツアー」が、また21日には大人向けのプログラム「生物多様性・環境教育研修ワークショップ」も併催されました。
 「KODOMOバイダバ<漫湖>」は、漫湖のラムサール条約登録10周年記念事業の一環としておこなわれたもので、環境省那覇自然環境事務所、那覇市、豊見城市はじめ地元の方々には、関係団体の調整、広報・募集、会議の準備などから、昼食やおやつの準備、エコバッグづくりの指導、テント設営などまで、大きな協力をいただきました。ありがとうございました。




●地球環境基金「国際協力講座」報告●

 2009年10月17〜18日、平成21年度地球環境基金「国際協力講座」が、環境省生物多様性センター(山梨県)で、「生物多様性」をテーマに、23人の受講生と16人の講師を迎えて開催され、無事終了しました。室内講義だけでなく、生物多様性センターの標本室の見学や、快晴の富士山麓・梨が原での自然観察など、充実した2日間となりました。ラムサールセンターがこの研修に協力したのは今年で2回め。大学生の参加が多かった前回にくらべ、今年は社会人の参加が目立ち、地球環境国際協力に積極的な関心を抱く若い世代の存在と熱意を、ひしひしと感じることができました。



●子どもたちの活動プログラム●
2009年度後期の開催および参加者募集のお知らせ


 2009年後半のラムサールセンターの活動には、子どもたちが参加できる活動プログラムが盛りだくさんです。子どもたちだけでなく、関心のあるおとなの方も、積極的な参加をお待ちしています。募集要項やプログラムは、ラムサールセンターのホームページに掲載してあります。事務局に連絡をくだされば相談に応じます。


KODOMOバイオダイバシティ<串本沿岸海域>
2009年11月14〜15日/和歌山県串本町

 2005年にラムサール条約に登録された「串本沿岸海域」は、本州という高緯度に位置しながら、暖流の黒潮に育まれた熱帯性の生きものがたくさん生息しています。世界最北となるサンゴ群集が、岸辺からほどないところに生息しており、テーブル状サンゴの景観に色とりどりの魚が群れ、希少な価値をもつ重要な湿地です。串本沿岸海域および和歌山県内で活動する子どもたちを中心に、全国のラムサール条約湿地で活動する子どもたち40人を募集しています。
詳しくはこちらへ:http://homepage1.nifty.com/rcj/japanese/kushimoto-bosyuu0.htm



KODOMOバイオダイバシティ<蕪栗沼・周辺水田>
2009年11月21〜22日/宮城県大崎市


「蕪栗沼・周辺水田」は、マガンやヒシクイなどの越冬地になっていて、冬になると3万羽以上のガンカモ類が渡ってくる重要な湿地です。面積150ヘクタールの蕪栗沼の周辺を水田が取り囲み、落穂などの餌をとりにくるガンやヒシクイのために、良好な越冬環境を守るため、低農薬、冬季湛水農業などが推進されています。蕪栗沼・周辺水田をはじめとする東北地方のラムサール条約湿地(仏沼、伊豆沼・内沼、化女沼、大山上池・下池)で活動する子どもたちを中心に、全国の湿地からの子どもたち50人を募集しています。
 詳しくはこちらへ:http://homepage1.nifty.com/rcj/japanese/kabukurinuma-bosyuu0.htm

※ 2010年2月20〜21日には、石川県加賀市で「KODOMOバイダバ<片野鴨池>」を開催する計画です。募集開始は12月ごろになる予定。改めてお知らせします。


アジア“湿地の学校”交流プログラム「クラビの湿地文化を楽しもう」
2009年12月23〜27日/タイ・クラビ河口湿地

 アジア“湿地の学校”交流プログラムは、2002年度からラムサールセンター、ウェットランド韓国、ウェットランドインターナショナル中国(WI中国)の3つのNGOが主体となっておこなってきたもので、アジアの湿地で活動する子ども代表があつまり、体験と学習を通して交流を深めるプログラムです。これまでに、日本、中国、韓国で8回開催しました。
今年はタイのクラビ河口湿地で、WI中国が主催、WIタイなどが協力し、中国、韓国、日本、マレーシアの子どもを招いておこないます。
 2008年8月に開催した「KODOMOラムサール国際湿地交流inにいがた」(新潟市)に参加してくれたタイのウィッチャワンくんとレック先生のいるアマ・パニチュヌクン中学校の訪問も予定しています。 ラムサール条約湿地および全国の湿地で活動する子どもたち3名程度を募集します。
詳しくはこちらへ:http://homepage1.nifty.com/rcj/japanese/aww/krabi-bosyuu0.htm



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