ラムサール通信
2009年8月25日発行 第125号

KODOMOバイダバ<クッチャロ湖>報告
9湿地から39人の子どもが参加して、生物の多様性を学びました

 7月25〜26日、北海道浜頓別町のクッチャロ湖で「KODOMOバイオダイバシティ<クッチャロ湖>」(地球環境基金助成事業)が開催されました。ラムサールセンター(RCJ)の「KODOMOバイダバ」活動は、4月25日のトライアル活動「KODOMOバイダバ<久米島>」でスタートを切りましたが、「KODOMOバイダバ<クッチャロ湖>」は、その本格活動の第1回。地元クッチャロ湖からの12人をはじめ、厚岸湖・別寒辺牛湿原(4人)、釧路湿原(2人)、サロベツ原野(7人)、宮島沼(10人)、谷津干潟(1人)、藤前干潟(1人)、宍道湖(1人)、漫湖(1人)の計39人の子どもたちが、元気に参加しました。
 1日目は、安藤元一先生(東京農大教授)の「ニホンカワウソの絶滅と生物多様性」のお話のあと、グループごとにフィールドへ出て、クッチャロ湖を特徴づけている生きものや風景など、「クッチャロ湖の“宝”探し」をしました。あいにくの曇り空と霧雨の肌寒い天気のなか、浜頓別町スタッフの方々のサポートを受けながら、湖に入って網で魚やエビ、ザリガニを探したり、水鳥観察館の展示から地域の歴史や自然について学びました。
その後、フィールド活動をとおして感じた「生物の多様性とは」「クッチャロ湖の宝はなにか」をグループ内で話し合い、6つの宝を選んでイラストに仕上げ、さらに1〜3位までの「クッチャロ湖の“ステキ”ランキング」を決め、キャッチコピーを考えました。
 次の日はグループごとの「“ステキ”ランキング」を発表し、ファシリテーターの中村大輔先生の司会のもとにさまざまな意見を出しあって、クッチャロ湖を代表する6つの宝とイラストを選び、全体キャッチフレーズを決め、KODOMOバイダバ<クッチャロ湖>ポスターを完成させました。(右の写真)
39人の子どもたちが選んだ「クッチャロ湖の宝」(クッチャロ・バイダバ)は次の6つでした。
1位:「ハクチョウのハッピーリング」「クッチャロ湖そのもの」「生きものがたくさん」
2位:「オジロワシとオオワシ」「ニホンザリガニ」
3位:「楽しいクッチャロ湖」
キャッチコピー:「一緒に行こう お宝ザクザクッチャロ湖」
なお、「KODOMOバイダバ<クッチャロ湖>」は、クッチャロ湖のラムサール登録20周年記念事業の一環としておこなわれ、記念式典や北海道ラムサールネットワークの総会も並行して開催されました。2日目のディスカッションには、記念式典に参加していた道内のラムサール登録湿地関係者のみなさんも見学にきて、会議は大盛況のうちに終了しました。
数か月前からのさまざまな準備作業にはじまり、地元の食材を使ったおいしい夕食の提供やテント設営など、浜頓別町のみなさんにはたいへんお世話になりました。ありがとうございました。




●第3回KODOMOバイダバは、沖縄の漫湖で開催します●


 9月21〜22日、沖縄県の漫湖の環境省漫湖水鳥・湿地センターで、「KODOMOバイオダイバシティ<漫湖>」を開催します。沖縄県の4つのラムサール登録湿地(漫湖、慶良間諸島海域、久米島の渓流・湿地、名蔵アンパル)で活躍する子どもたちを中心に、釧路湿原、宮島沼、蕪栗沼・周辺水田、谷津干潟、藤前干潟、琵琶湖、宍道湖から約40人の子どもたちが参加する予定です。
1989年にラムサール条約に登録された漫湖は、ことしで登録10周年。KODOMOバイダバ<漫湖>は、その記念事業としておこなわれます。9月21日の午後には、湿地環境教育に関心のある先生、レンジャー、NGO/NPOなどを対象にした「生物多様性・環境教育研修ワークショップ」も、水鳥・湿地センターの研修室で併催します。
「KODOMOバイダバ<漫湖>」と、「生物多様性・環境教育研修ワークショップ」のプログラム詳細は、ラムサールセンターのホームページにまもなく掲載の予定です。



●2009年度地球環境基金「国際協力講座」募集開始●


  環境再生保全機構地球環境基金部が毎年おこなっている「国際協力講座」を、昨年に引き続きラムサールセンターが受託しました。2009年10月17〜18日、富士山麓の環境省生物多様性センターで開催します。今年の研修のテーマは「生物多様性」。2010年の名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(CBD_COP10)に向けて、生物多様性保全と国際協力の意義を考えます。
募集案内のチラシを同封します。地球環境国際協力に関心のある方の積極的な応募を期待します。



●KODOMOメッセージTシャツ、2009年新色をつくりました●
このシャツを着て、メッセージを世界に広めてください


ラムサールセンターでは、2006〜2008年の「KODOMOラムサール」活動の成果として子どもたちがつくったメッセージ「湿地がある 命がある ぼくらがつなげて 宝になる」を、世界に発信するために、岡本一宣さんにデザインをお願いしてメッセージTシャツをつくりました。2008年のラムサールCOP10(韓国)で、Tシャツを着た子どもたちが大活躍したようすは、ラムサール通信やホームページでもお伝えしました。
でも、このKODOMOメッセージは、日本ではまだ十分に普及しているとはいえません。もっと多くの人に伝え、共感してもらいたいというのが子どもたちの願いです。
そこで、今年から新しいKODOMOバイオダイバシティ活動を展開するにあたり、2009年新色のTシャツをつくりました。全国で展開するKODOMOバイダバの参加者に着てもらうほか、1枚2000円で頒布し、収益をKODOMOバイダバ活動の継続・拡大にいかしていきたいと考えています。
同封のチラシをごらんのうえ、趣旨に賛同してくださる方のご協力をお待ちしています。





●「海外派遣研修 タイ・バングラデシュ活動体験コース」にでかけます●


 2009年8月27日〜9月19日、地球環境基金主催の標記研修をタイ(バンコク、スラタニ、クラビ)とバングラデシュ(ダッカ、コックスバザール)で実施するため、副会表の武者孝幸さん、事務局長の中村玲子さん、スタッフの市川智子さん、ボランティアの岩崎慎平さんの4人は、7人の研修生らとともにしばらく日本を留守にします。この間、ラムサールセンター事務局は小澤章子さんとボランティアが担いますが、KODOMOバイダバはじめ多くの活動が並行しておこなわれるなか、ご理解と協力をお願いします。なお、海外研修の現地では、アジア会員のSansanee Choowaewさん、Asae Sayakaさん、Sanowar Hossainさんが全面協力してくれます。


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