ラムサール通信
2009年6月22日発行 第124号


●RCJ第19回総会報告●
第7期(2009〜12年)中期計画スタート
KODOMOバイダバ中心に生物多様性プログラムなど多彩な計画
新たに菊地邦雄さんが副会長に就任

 5月30日(土)、東京・港区の明治学院大学で、ラムサールセンター(RCJ)第19回総会が、会員16人(安藤、磯崎、岩間、林、亀山、武者、中村玲、藤倉、菊地、川嶋、中村大、鈴木、苑原、新井、市川、小澤)が参加して開催されました。安藤元一会長の挨拶後、2008年度の活動報告と決算報告がおこなわれ、これを承認。つづいて、2009年度の活動・予算計画を決定しました。最後に、新たに菊地邦雄さんを副会長とする人事(その他は留任)を決めて閉会しました。
 昨年10月のラムサールCOP10(韓国・昌原)に向けて活動を積上げてきた「第6期中期計画(2006年〜2009年)」の最終年度は、これで無事終了。本年度からは、2012年春にルーマニアで予定されるCOP11を目標とする、「第7期(2009年〜2012年)中期計画」がスタートしました。
 基本方針は、「第6期中期計画」を継承し、アジア湿地シンポジウム(AWS)を軸としたラムサール条約の実施を支援する戦略を展開しますが、来年、名古屋で開催される生物多様性条約COP10を当面の目標として、「KODOMOバイオダイバシティ」の新たな運動に全力で取り組みます。会員の積極的な参加と協力をひきつづきお願いします。
 以下、総会報告を「議案書」から抜粋しておこないます。

【2008年度(2008年4月〜2009年3月)活動報告】
 2008年度は、ラムサールCOP10への貢献を最大目標に、「アジア湿地シンポジウム」「KODOMOラムサール」「ラムサール条約COP10」「トキと湿地プロジェクト」を中心に活動しました。
 「アジア湿地シンポジウムAWS2008」(経団連・北海道河川防災センター・JICAほか助成)/6月22〜25日、ハノイで環境省、ベトナム環境省、IUCNなどと共催。20カ国300人が参加。10項目の行動を提起した「ハノイコール」を採択。COP10に貢献。
 「KODOMOラムサール国際湿地交流inにいがた」(JFGE助成)/8月20〜24日、新潟市(佐潟、福島潟など)で新潟実行委員会などと共催。国内15湿地、海外5国から130人の子どもが参加。3年間のKODOMOラムサールは全国29登録湿地が参加する大運動となった。成果はCOP10へ。
 「ラムサール条約COP10」参加(JFGE、KNCF助成)/10月28日〜11月4日、韓国・チャンウォンで開催。協賛活動として10月26〜30日、COP1〜10都市の子ども代表らによる「子どもラムサール世界会議」をチャンウオン市と共催。COP10開会式に子ども代表が公式参加。AWS報告CDを参加国代表に提供。
 「トキと湿地プロジェクト」(バンロックステーションワイン・やまや支援)/前年の「トキ野生復帰 日中国際シンポジウム」開催後、9月25日「野生放鳥」に立会い、12月12〜13日、能登半島で予備調査を実施。12月20日、講師、成島悦雄さんの「トキの人工繁殖と野生復帰の意義」ワークショップ開催。
 *バンロックからの支援は5月で中止となったが、「やまや」は継続。
 「生きものと人・共生の里を考えるシンポジウム」/八代、佐渡に続く3年目は兵庫県豊岡で1月23〜24日、開催。野生復帰したコウノトリと共生する湿地、里山のモデル事業の成功を参加者一同、共有。会議の重要性を再認識。次回は鹿児島県出水市。
 JFGE主催「国際協力講座」/前総会の計画外事業。地球環境基金に応札、受託。11月22〜23日、参加者32人、ラムサール登録湿地の奥日光で開催。菊地邦雄、名執芳博、小林聡史、宮地信良、土居正典、WI中国チェン・ケリンさんなど会員総出の協力で、大成功。
 その他、RCJが共催、協力、参加した主な活動は次のとおり。
  ・AWS準備会議/4月11〜14日、ベトナム・ハノイ。
  ・エコライフフェア「湿地の恵み展」/6月7〜8日、代々木公園。登録湿地の16団体が参加。
  ・「KODOMOラムサール谷津干潟」/6月7〜8日、谷津干潟。6湿地の子ども34人が参加。
  ・「久米島の渓流・湿地登録記念WS」/10月19日、久米島。
  ・日中韓子ども湿地交流「湿地の学校」/12月24〜26日、中国・チャンチアン湿地。
  ・パリシュリ「湿地の日・国際WS」/2月2〜3日、インド・チリカ湖。
  ・BDポーシュ「気候変動リスクマネジメント国際WS」/2月5〜10日、バングラデシュ。
  ・JICA「湿地WS」/2月6〜14日、マレーシア・コタキナバル。
  ・アジアの会員やNGOの助成基金の代理人などで次のような活動を支援・協力しました。
    a)WI中国「アジアの湿地の学校プロジェクト」(JFGE助成)
    b)パリシュリ「チリカ湖の環境アウェアネス活動」(JFGE・KNCF助成)
    c)ポーシュ「気候変動適応リスクマネジメント開発」(JFGE助成)
 RCJの基本活動:
  1)ワイズユースワークショップの開催;AWS、COPなどがつづいたため回数は減りました。
   ・77回「湿地の生物多様性―絶滅危惧と再導入―」(5月25日、JICA地球広ひろば)
    ゲスト:環境省野生生物課(中村昌孝)、鰍竄ワや、ニホンカワウソ友の会(鈴木孝次)。
   ・78回「アジア湿地シンポジウムAWS2008報告会」(8月8日、明治学院大学)
    会議の成果、ハノイコールの解説ほか。
   ・79回「ラムサールCOP10報告とRCJ活動の今後」(12月20日、JICA地球ひろば)
    ゲスト:岩間徹(決議解説)、成島悦雄(トキの人工繁殖と野生復帰)、
         子ども代表4人(KODOMOラムサール報告)。
  2)ラムサール通信の発行;例年とほぼ同じ6回発行しました。
   ・第116号(2008年4月22日発行)/117号(8月8日)/118(9月20日)/119(10月23日)/
    120号(12月8日)/121(2009年3月22日)
   ・ホームページ、Eメールの活用はさらに進み、CEPAの大きなメディアとなりました。
 組織・事務局体制:
  ・会員:111人(国際会員21人)*2009年3月末現在
  ・組織: 会長:安藤元一 副会長:磯崎博司/岩間徹/武者孝幸/林聡彦
       監事:亀山保 
       事務局長:中村玲子 副事務局長:築地珠子(6月から産休中)
       事務局 市川智子/小沢章子/ボランティアのみなさん
10 2008年度決算報告: *省略/会員には別添します。

【2009年度(2009年4月〜2010年3月)活動計画/予算計画/人事】
 COP10で、COPの「4年開催/中間2年に地域会合」が提案されたように、リージョンの役割が重視され、決議\.19への期待は大きくなるでしょう。「第7期中期計画(2009年〜2012年)」は、これまでの「基本認識」を継承し、アジア湿地シンポジウムを軸に、次のように計画されます。
 「アジア湿地シンポジウム」/AWS2008「ハノイコール」行動計画のフォローに取り組みつつ、次回AWSの準備を開始します。経団連自然保護基金が不採択でしたが、北海道河川防災研究センターからは引き続き支援が見込まれるため、活動の規模、具体的日程は再検討します。
 「KODOMOバイオダイバシティ」/「KODOMOラムサール」の成果を継承する国内の中心活動として、「KODOMOバイオダイバシティ(生物多様性条約と生きものを守る子どもたちの運動)」(JFGE助成)を2年計画で展開します。2010年10月の「生物多様性条約COP10」を成功させるCEPA活動であり、ラムサール条約と生物多様性条約をリンクさせ、国民的な環境認識の底上げをめざします。滋賀県、積水化学工業と実行委員会を組織し、行政・企業・NGOの新しい枠組みで実施します。全国37登録湿地に開催地を公募中で、以下の予定です。
2009年5月 実行委員会(事業開始)/7月 クッチャロ湖(北海道浜頓別町)/9月 漫湖(沖縄県)/11月 串本沿岸海域(和歌山県串本町)/11月 蕪栗沼・周辺水田(宮城県大崎市)
2010年1月 片野鴨池(加賀市)/2月 釧路湿原(鶴居村)/6月 蕪栗沼・周辺水田(大崎市)/8月 KODOMOバイダバ世界会議<琵琶湖>/10月 生物多様性条約COP10(名古屋市)
 「トキと湿地プロジェクト」/バンロックステーションワインから5月で支援中止が通知されましたが、日本の「やまや」は継続支援を決定。計画の重要性、CBD・COP10にむけての意義を勘案し、事業を継続します。本年5月17日、佐潟で「トキが来たらどうする?」ワークショップ開催済。同様のWSの各地巡回を検討中です。
 「生きものと人・共生の里を考えるシンポジウム」/4年目の今年は鹿児島県出水市で予定。RCJとナベヅル保護協会の呼びかけでスタートした運動は、生物多様性の保全を行政、NGOが連携するモデルとして、CBD・COP10への貢献を重視して取り組みます。
 「エコライフフェア2007湿地の恵み展/継続4年目。6月6〜7日に代々木公園で開催済。
 湿地の保全と賢明な利用の推進のためのCEPA活動/登録湿地の「数から質へ」方針を継続。質の向上に果たす「湿地センター」の役割を考えていきます。また、37湿地になっても28都府県には登録湿地がなく、関心も低いため、「すべての都道府県に」を目標にします。「ラムサールマーク」の普及拡大にも力をいれます。
 「日・中・韓3国子ども湿地交流」/8月に韓国安山市で、ウェットランド・コリアの活動が、12月下旬にタイのラムサール登録湿地「クラビ湿地」で、WI中国の「湿地の学校プロジェクト」が開催される予定。日本から子ども代表を派遣します。
 海外NGOなどへの支援、協力活動/地球環境基金などの窓口として事務補佐、便宜供与、活動支援、情報提供などを継続します。
  ・BDポーシュ「気候変動リスクマネジメント開発モデル事業」:JFGE助成。3年事業の2年目。
  ・パリシュリ「ビタカニカ湿地の環境再生アウェアネス活動」:JFGE助成。3年事業の1年目。
 関連する受託事業:
  ・地球環境基金「海外派遣研修・活動体験コース」:環境分野の国際協力をめざす人材育成のための、海外NGO活動体験研修事業。8月27日〜9月19日、タイ〜バングラデシュで実施。
  ・地球環境基金「国際協力講座」:昨年度につづき受託、10月17日〜18日、山梨県富士吉田市にある環境省・生物多様性センターで、定員30人で実施。
10 RCJの基本活動:これまで同様、基本活動として以下を継続します。
   1)ワイズユースワークショップの開催/2)ラムサール通信の発行/3)ホームページの運用/4)各種シンポジウム、ワークショップなどへの協力および参加/5)海外NGOへの支援活動
11 予算計画: *省略/会員には別添します。
12 人事・事務局体制:
 活動が活発になり、役員体制を強化するため、菊地邦雄会員が副会長に選任されました。
 <2009年体制>
  会長:安藤元一  副会長:磯崎博司/岩間徹/武者孝幸/林聡彦/菊地邦雄
  監事:亀山保   事務局長:中村玲子
  事務局:市川智子/小沢章子/長江(築地)珠子/ボランティアのみなさん






開発途上地域で環境NGO活動をめざす人のための
●海外派遣研修 タイ・バングラデシュ活動体験コース●
参加者募集


 地球環境基金(環境再生保全機構)が、わが国の環境NGOによる開発途上地域での環境分野の国際協力をめざす人材育成のため、毎年おこなっている研修です。今年はじめてRCJが受託しました。  
タイとバングラデシュを舞台に、8月27日〜9月19日の24日間でおこないます。タイではサンサニ・チョーウさん(マヒドン大学)とアセ・サヤカさん(WIタイ)、バングラデシュではサノワ・ホセインさん(バングラデシュ・ポーシュ)などRCJアジア会員の協力を得て、NGO活動の現場を訪れ、途上国の環境保全活動の実際を体験します。参加費は5万円、定員は8人、締め切りは7月8日です。応募は地球環境基金のホームページ(下記)から。詳細は同封のチラシをどうぞ。
地球環境基金海外派遣研修URL:http://www.erca.go.jp/jfge/training/oversea_index.html




●KODOMOバイオダイバシティ<クッチャロ湖>、参加者募集中●
2009年7月25日(土)〜26日(日)北海道浜頓別町


 「KODOMOバイオダイバシティ(生物多様性条約と生きものを守る子どもたちの運動)」(地球環境基金助成)は、2010年10月に名古屋で開催されるCBD・COP10に向け、子どもたちといっしょに生物多様性条約と湿地のバイオダイバシティ(生物多様性)の重要性を考え、活動していこうというもので、RCJがKODOMOラムサールの成果に立って今年度から取り組む新しい学習・交流活動です。4月25日に沖縄県久米島で開催した第1回トライアルに引き続き、第2回めを、2009年7月25〜26日に、日本最北のラムサール登録湿地、クッチャロ湖(北海道浜頓別町)で下記のとおりに開催します。湿地の生きものに興味がある子どもたち(小学生から高校生まで)の積極的な参加をお待ちしています。なおこの事業は、浜頓別町のクッチャロ湖ラムサール条約20周年記念事業の一環として開催されます。募集要項は、RCJのホームページ(下記)からダウンロード、またはRCJ事務局にお問い合わせください。http://homepage1.nifty.com/rcj/japanese/kucharo-bosyuu0.htm
◆期 日:2009年7月25日(土)〜26日(日)*1泊2日
◆開催地:クッチャロ湖(北海道浜頓別町)
◆会 場:北海道浜頓別町/浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館
◆主 催:浜頓別町、北海道ラムサールネットワーク
      KODOMOバイダバ実行委員会(ラムサールセンター、滋賀県、積水化学工業株式会社)
◆後 援:環境省北海道地方事務所、北海道、(財)北海道環境財団、
 (予定) ラムサール条約登録湿地関係市町村会議、北海道ラムサール条約登録湿地市町村
      連絡協議会、国際湿地保全連合日本委員会、大同特殊鋼、浜頓別町観光協会、
      NPOクッチャロ湖エコワーカーズ、浜頓別町自然保護協会、浜頓別白鳥の会
◆協 賛:アサヒビール




●"佐潟にトキが来たら、どうする"ワークショップ報告●

 2009年5月17日、佐潟水鳥・湿地センター(新潟市)で開催した"佐潟にトキが来たら、どうする"ワークショップは、雨模様の天気にもかかわらず、地元、佐潟・赤塚地域のみなさんを中心におよそ50人が参加し、盛会でした。第1部では、環境省佐渡自然保護官事務所レンジャーの笹渕紘平さん、佐渡のトキ生息地回復に取り組む新潟大学准教授の本間航介さん、本州に飛来したトキをまっさきに迎えることになった新潟県関川村の生涯学習課長の田村健一さん、トキ調査協力員として本州のトキを観察している新潟県野鳥愛護会の本間隆平さんから、放鳥後のトキの現状とそれをとりまく自然・社会環境について、それぞれ報告がありました。第2部では、佐潟・赤塚地域のみなさんを交えて、もし佐潟にトキが来たら、トキと共生できる環境づくりをどうするか、その準備と心がまえをめぐって、活発な意見交換をおこないました。発言の要旨を以下に掲載します。参加した会員は安藤元一会長、武者孝幸副会長、中村玲子事務局長、市川智子さんの4人でした。
 RCJでは、ひきつづきの協力を約束してくれた鰍竄ワやの支援などを、この「トキが来たら、どうする」ワークショップを、これから各地で開催していく計画です。


"佐潟にトキが来たら、どうする"ワークショップ・参加者討論の発言要旨
 佐潟にエサは十分ある。生息環境の整備には協力する。周辺の人は騒がないのがいいのでは。しかし、地元だけではどうにもならない。行政の助けがいる。/佐潟にはエサはあるが、トキが来るかどうか。来てくれれば魅力的、よろこばしい/胎内市、太夫浜はともに水が良く、冬でも水がある田んぼで、トキは畦をつついていた。ドジョウ、ザリガニなどはいっぱいいるが、佐潟は上から見ると葦原。昔は田んぼになっていたが、ああいう状態だったらトキも来てくれるだろう。そういう環境を作ることが前提になるのかな。来てくれたらうれしい/人がどんどんトキに近づいてしまう。自分勝手な人が多い。啓発もしていかなければいけない/ホントに来るのかな。赤塚の場合は農家が春から秋、休みなしに機械が田んぼで動いている。立ち入り規制となったら、了解とれないだろう。トキは大歓迎だが、いろんな問題がクリアできないとちょっと無理だろうな/昨年の早い時期、西区で目撃情報があった。そのうちの一つは赤塚小学校の子どもからで、電線にとまったらしい。子どもの話なので、話題にならなかった。これをきっかけに、学校で子どもたちに話をしてみたい/「トキが行くぞ」と知っていたら、もっとみんな見ていたかもしれない/12月4日、トキがきた。休日になるとギャラリーがいっぱいで、看板を作ってくれといわれて、作った途端にいなくなった。北区では職員の対応が早く、看板をすぐつけた。新潟にトキが来ると専門家も思っていなかった。もし来たら、協力して、チラシを配ったり、ゆっくり見守ってくださいと言いたい。関川村にもらったファックスを参考にして新潟市版を作った。全戸配布はしなかったが、ギャラリーには配った/追い払わんといかんな、と思ったことも。間違って来てしまったら、いい意味で勉強になるかなと思っている/とんでもない場所に来るよりは、意識している人が集まっている佐潟に来たらトキにとっては有利だろう/できるだけ佐渡にいてほしいのだが、きっとトキは来るだろう。来てほしい、というだけではなく、「豊かな自然環境があるよ」と取り組んで、結果としてトキが来ればいいのでは/「トキが来る環境を」と訴える裏側には、「第二のトキは作らない!」との願いがある。長期的に、どこでもやらなければならない活動だと思う/放鳥されて、あっという間にこちらに来てしまった。群れの形成もないまま、繁殖期にメスだけがどんどん来てしまう、という展開は読めていなかった。群れ形成できない理由があったのでは。うまく群れができたら、メスが飛んで行ってしまうのは抑制されるかも。生息のコアとして小佐渡整備をするが、ある確率で本土に飛んでくる、という状況を作るのも目標。トキがいるいないではなく、野生生物にとってたいせつな生息場所をつくり、そのうちトキも仲間に入るかもね、という広い視野で環境づくりを続けていくことが重要/モニタリングをしてみても、実際にトキがどういうところに来るかはわからない/子どものころ田んぼの手伝いをしていると、数羽のトキが群れになって田んぼの近くにいた。きれいだった。今でも「あの場所にいた」というのが思い出せる。トキの羽への着色はやめられないだろうか。GPSもボタン電池くらいの小さいのにはならないか/着色はモニタリングのため。羽は抜け変わるので、一年くらいでもどります。しばらく我慢を。GPSは現状ではあれが一番いいものときいている/科学技術を進歩させる国民の声で予算がつくかも! 応援団が頑張らないと/韓国の状況を考えると、日本の人は大人で、堅実だと思う。生息地を守るということは、人々の考え方が重要。韓国では、恥ずかしい話だが、大統領が経済的な発展のために水田を破壊しようとしている/人々の意識を高め、声を大きくして、国を動かして予算をつけてもらうことも大事だ/私はカワウソの研究者だが、トキと違い、カワウソは1990年代に絶滅したと思う。どんな調査がされているかなど情報の伝達がなかったため、結果として保護できなかった。いまでこそ、情報共有はあたりまえになってきたが、ほんの20年前には環境庁とNGOがいっしょにワークショップを開くなどできなかった。時代は速く動いた。今日では、いろんなポジションの人が集まってどんどん話ができるようになった。時代が変わったと実感した。



湿地はおいしい、湿地はたのしい
●環境省エコライフフェア2009「湿地の恵み」展報告●


 6月6日(土)と7日(日)の2日間、環境省恒例の「エコライフ・フェア2009」が東京都渋谷区代々木公園で、開催されました。RCJは今年も、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議、日本国際湿地保全連合(WIJ)と共催で、「湿地の恵み展〜ラムサール条約湿地の観光と物産」を出展しました。出展4年目となる今回は、全国17のラムサール条約登録湿地関係自治体・団体からのエントリーがあり、うち9団体からは担当者を派遣していただきました。環境省野生生物課、法政大学、神田外語大学からのボランティア約30人の協力も得て、米、酒、漬物、お菓子、民芸品などバラエティに富んだ試供・試食品の提供、日本37湿地を紹介したチラシ2000部(環境省提供)の配布、湿地クイズの実施、お国言葉の飛び交う各地の湿地じまんなど、これまで以上に地域色豊かなイベントになり、充実した2日間でした。なお、エコライフフェア全体の入場者数は6万5000人でした。



●第82回<ワイズユース>ワークショップ報告●

 5月30日、RCJ総会後に開催された第82回ワークショップでは、会員の最近の活動報告として、磯崎博司さん(明治学院大学)の生物多様性条約に最近の動きに関する解説、中村大輔さん(草津市笠縫東小学校)のKODOMOラムサールに関わった3年間の報告と今後のKODOMOバイダバへの展望、藤倉良さん(法政大学)の新設のJICA研究所についての解説、武者孝幸さん(RCJ副会長)のラムサール37登録湿地を踏破しての感想と提言がおこなわれました。参加した会員は16人でした。



●KODOMOバイオダイバシティ実行委員会が発足しました●

 「KODOMOバイオダイバシティ(生物多様性条約と生きものを守る子どもたちの運動)」の実施にあたり、企画、準備、運営にあたる実行委員会が、ラムサールセンター、滋賀県、積水化学工業の代表と、環境教育の専門家などによって、5月30日、正式に発足しました。実行委員長は、法政大学教授の藤倉良さん(元ラムサールセンター会長)に決まりました。



●KODOMOバイダバ、これからの開催予定●
漫湖、串本沿岸海域、蕪栗沼・周辺水田、片野鴨池

 北海道のクッチャロ湖で、7月25〜26日にKODOMOバイダバを開催するのにつづき、以下の日程での開催を計画しています。日程はそれぞれ予定で、確定ではありません。詳細が決まりしだい、改めてご案内します。
 ・KODOMOバイダバ<漫湖>(沖縄)        2009年9月20〜22日
 ・KODOMOバイダバ<串本沿岸海域>(和歌山) 2009年11月14〜15日
 ・KODOMOバイダバ<蕪栗沼>(宮城)       2009年11月21〜23日
 ・KODOMOバイダバ<片野鴨池>(石川)     2010年2月13〜14日または20〜21日



ラムサールセンターの新入会員を募集しています。アジアの湿地と人々の暮らしを守るために、
みなさんの知恵と力を貸してください。年会費8000円。詳しくは事務局までご連絡をどうぞ。



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