ラムサール通信
2007年11月14日発行 第112号


●第73回<ワイズユース>ワークショップのおしらせ●
日中国際ワークショップ「中国の湿地保全政策とNGOの役割」

 11月27日(火)、東京・広尾のJICA地球ひろばで、「中国の湿地保全政策とNGOの役割」をテーマに<ワイズユース>ワークショップを開催します。ウェットランドインターナショナル中国代表の陳克林(チェン・ケリン)さんが、「トキ野生復帰日中国際シンポジウム」(11月25日 新潟市)で来日するので、日本国際湿地保全連合(WI-J)との共催、アジア経済研究所の後援でおこないます。長江、黄河の二大河川流域に広がる中国の平野部は、それ自体が湿地であり、その国家湿地政策と管理計画はほとんど日本では知られていませんが、陳さんはアジア経済研究所に論文を寄稿し、近日中に出版される予定でもあります。
 ■主 催:ラムサールセンター、日本国際湿地保全連合(WI-J)
 ■後 援:日本貿易振興機構アジア経済研究所
 ■日 時:2007年11月27日(火)18時30分〜20時30分
 ■場 所:JICA地球ひろば セミナールーム302
       (渋谷区広尾4-2-24 Tel:03-3400-7717)
 ■スピーカー: 陳克林さん(ウェットランドインターナショナル中国代表)
        「中国の湿地保全政策とNGOの役割」
   コメンテーター: 大塚健司さん(アジア経済研究所 新領域研究センター)
    *使用言語は英語です。
 ■参加費 2000円(会員・学生1000円)
   *終了後は1F「カフェ・フロンティア」で懇親会です。



●第74回<ワイズユース>ワークショップのおしらせ●
「人と湿地と生きものの共生を考える そのC」

 つづいて12月5日(水)、第74回<ワイズユース>ワークショップを東京・白金の明治学院大学で開催します。「人と湿地と生きものの共生を考える」シリーズの第4回です。今回は、九州大学の島谷幸宏先生を迎え、環境省地球環境研究総合推進費を受けて今年スタートした「トキ野生復帰研究プロジェクト」を中心に話していただきます。この研究事業は、来年度に予定されている試験放鳥後、トキが社会に受け入れられ、定着していくにはどうしたらいいかを探るものです。ラムサールセンターが取り組んでいる「トキを再び大空に」「第2のトキをつくらない」キャンペーンとリンクさせておこないます。

  ■日 時:2007年12月5日(水)18時30分〜20時30分
  ■場 所:明治学院大学 白金キャンパス 本館8階法律科学研究所会議室
       (港区白金台1−2−37) 地図:http://www.meijigakuin.ac.jp/access/
  ■スピーカー:島谷幸宏さん 九州大学教授(河川環境工学)
         「トキ野生復帰のための自然再生計画の立案とその社会的手続き(仮)」
  ■参加費:2000円(会員・学生1000円) *終了後はいつもの懇親会です。




●「KODOMOラムサール<中海・宍道湖>全国湿地交流」のご案内●

 来年、2008年2月9日(土)〜11日(月)、島根県、鳥取県のラムサール条約登録湿地「中海」「宍道湖」で、KODOMOラムサール<中海・宍道湖>全国湿地交流(地球環境基金助成事業)を開催します。これは、これまで濤沸湖(北海道)、佐潟(新潟県)、中海・宍道湖、漫湖(沖縄県)、琵琶湖(滋賀県)、宮島沼(北海道)で開催されたKODOMOラムサール活動の成果を統合し、日本のラムサール条約登録湿地33カ所の子どもたちが集まり、日本全国の湿地の保全と賢明な利用を考えていく初の試みです。活動をとおして全国の子どもたちをつなぎ、湿地保全の未来をになうリーダーを育成することをめざしています。詳細は同封のチラシをご覧ください。募集要項と参加申込書をお送りしますので、ラムサールセンターまでご連絡ください。参加申込みは12月10日(月)までで、全国のラムサール条約登録湿地から一人分の旅費は主催者で用意しています。



●「トキ野生復帰日中国際シンポジウム−日中友好が開くトキの未来」●
2007年11月25日 新潟市・朱鷺メッセ


 中国やヨーロッパで進められているトキの野生復帰の先進例や、豊岡市のコウノトリの経験を学び、来年にも実現が待たれる日本のトキの野生復帰の成功を展望します。ラムサールセンターは主催団体として実行委員会に加わり、事務局長の中村玲子さんがパネルディスカッションのコーディネーターを務めます。
 バンロックステーションワインの資金助成でスタートした「トキと湿地」プロジェクト事業
として実施します。
 詳しくはこちらのリンクからどうぞ。→http://crestedibis.org



●「KODOMOラムサール<宮島沼>湿地交流」報告●

 「KODOMOラムサール<宮島沼>湿地交流」が、10月6日(土)〜7日(日)、北海道美唄市の「宮島沼」で開催されました。9月の「琵琶湖」につづき今年度2回目、昨年から通算6回目の「KODOMOラムサール」には、北海道の宮島沼、風蓮湖・春国岱、厚岸湖・別寒辺牛湿原、釧路湿原、濤沸湖、クッチャロ湖、沖縄県の漫湖、千葉県の谷津干潟から、合計30人の子どもたちが参加しました。
 新設された水鳥・湿地センターの企画で各種野外プログラムが準備され、1日目は、田んぼの中でマガンの羽やフンなどの痕跡探し、マガンの気持ちでエサの落ちモミ探しなど、体験ゲームをしながらマガンと宮島沼について学びました。夕方には、カウンタを片手に、双眼鏡をのぞきながら何百羽もの群れとなって帰ってくるマガンを数えました。夕食後は、水鳥・湿地センターでそれぞれの活動発表と、グループにわかれてのゲームで親睦を深め、夜は、沼のほとりで夜のマガンの声を聞き、センターで寝袋にくるまってマガンとともに寝ました。
 2日目は早朝、迫力あるマガンのねぐら立ちを観察しました。大きな羽音をたててマガンが次々と飛び立っていく姿に子どもたちは感動していました。朝食後のマガンの渡りのゲームでは、宮島沼がマガンの中継地として他の湿地や外国ともつながっていることを学習。その後、いよいよメッセージづくりに取りかかりました。宮島沼の特徴を伝えたい、北海道らしい言葉を入れたいなど、活発な意見交換が行われ、出し合ったキーワードをつなぎ、次のようにまとめました。 

     「世界とつながるぼくらのサルルン(湿地)
                          守りつづけよう命のオアシス」

 開催にあたり、美唄市、北海道ラムサールネットワークをはじめ、多くの方々にご協力いただき、また、地元のおかあさんたちによって、お米や野菜、鶏肉など特産品をふんだんに使った食事が用意されました。どうもありがとうございました。




●<ワイズユース>ワークショップ報告●
「ラムサール条約と生物多様性条約がもとめるCEPAについて考える」

 9月26日(水)に、東京・白金の明治学院大学で、第71回<ワイズユース>ワークショップを開催しました。これは、ラムサールセンターが今年度から明治学院大学から委託を受けて取り組んでいる、法政策分野における効果的なCEPA(環境教育)活動の実施に向けた、基本枠組みを定めている関連諸条約の分析調査、具体的におこなわれている先行事例調査の一環で開催されたものです。14人が参加し、ラムサール条約のCEPAに関する決議の読み合わせ、解説をおこない、今後の作業の進め方について活発な議論が繰り広げられました。
 参加者は、環境省自然環境計画課の喜多さやかさん、上智大学大学院生の鈴木悠里さん、会員は、安藤、磯崎、川嶋、名執、林、中村、武者、藤倉、亀山、神辺、小澤、築地さんでした。
 また引きつづき、10月23日(火)に同大学で、第72回<ワイズユース>ワークショップが同じテーマで開催され、13人が参加しました。今回は、生物多様性条約のCEPAに関する決議の読み合わせ、解説ののち、日本で実施されているCEPA活動について検討をおこないました。
 参加者は、環境省自然環境計画課の喜多さやかさん、日本湿地ネットワークの伊藤昌尚さん、会員は、安藤、磯崎、川嶋、名執、苑原、中村、武者、岡本、小澤、石橋、築地さんでした。



●KODOMOラムサールバンダナが完成しました!●

 KODOMOラムサールのキャンペーン用バンダナが、デザイナーで会員の古田修さんのご協力で完成しました。KODOMOラムサール活動では、参加した子どもたちが頭や首、かばんなどに身に付けています。大きさ53cm×53cm、あざやかな紺地に白字で、33カ所の日本のラムサール条約湿地名が入っています。
 1枚1000円で頒布し、その一部をKODOMOラムサールの活動に役立てます。購入ご希望の方は、ラムサールセンターにご連絡ください。
ご協力よろしくお願いします。



■■■緊急募集!アジア湿地シンポジウム2008の事務局ボランティアスタッフ■■■

 「第4回アジア湿地シンポジウム(AWS2008)」が、2008年6月22〜25日、ベトナムのハノイで開催されます。その成功にむけて、事務局の補助をしてくれるボランティアをさがしています。主催パートナーとなるベトナム政府や日本政府、IUCNベトナムほかの国際NGO、アジア各国の国際運営委員、後援団体などとの連絡調整、準備のための文書づくり、準備会議の開催・運営、翻訳、編集などが主な仕事になります。  来年6月まで、最低週2回程度、ラムサールセンター事務局(東京・大田区)で勤務できる方。海外出張の可能性もあります。年齢・性別は問いませんが、英語文書をある程度理解する、または、これから英語に挑戦しようという意欲的な方、国際協力に関心と理解のある、実践的な方を歓迎します。興味のある方は、ラムサールセンターまでお問い合わせください。




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