ラムサール通信
2007年3月5日発行 第106号


「KODOMOラムサール」湿地交流、全国で400人が参加して大成功
企業、団体、個人のサポーターを募集中です



 ラムサールセンターが2006年4月から開始した「ラムサール条約を子どもたちのものにする−KODOMOラムサール」活動(地球環境基金助成)は、北海道(濤沸湖/10月)、近畿・中国(中海・宍道湖/11月)、東北・関東(佐潟/12月)、九州・沖縄(漫湖/2007年1月)の4ブロックで、登録湿地で活動し、学習する子どもたちによる湿地交流が盛大に開催され、2006年度の活動を無事に終了しました。子どもたちは220人、先生やNGO、ボランティアをあわせ400人が参加した史上初の大イベントになり、大きな成功をおさめました。
 4つのブロック湿地交流に参加した47子どもグループ(学校、NGO、エコクラブなど)は、それぞれ自分たちの湿地についての日ごろの活動や研究の成果を発表し、互いに情報を交換し、経験を交流しました。そして会議の成果を4つの「KODOMOメッセージ」としてまとめあげ、全国の子どもたちに発信しました。

 事務局では現在、参加した子どもたちの感想文集を作成中ですが、子どもたちは異口同音に、「日本にはいろいろな湿地があることがわかった」「ほかの湿地でもさまざま活動が行われていることを知った」「湿地をいつまでも残したい」、そして「もっと交流の輪を広げたい」と話しています。そこでラムサールセンターでは、2007年度も「KODOMOラムサール」活動を継続し、全国の子どもたちによる「KODOMOラムサール全国湿地交流」と、さらに地域でのブロック交流を拡大する計画です。できるだけ多くの湿地で、ひとりでも多くの子どもたちに出会いと交流の機会を提供し、次世代の湿地リーダーを育てていきたいと考えています。

 すでにいくつかの地域から開催希望が寄せられ、宮島沼(北海道)、琵琶湖(滋賀)、中海・宍道湖(鳥取・島根)などが準備をはじめています。地球環境基金に今年も助成を申請中で、協賛企業や個人からの寄付集めもスタートさせました。私たちは活動の成果を2008年10月のラムサールCOP10(韓国・昌原)へと結集させていきたいと思っています。どうかみなさんの力を貸してください。


●ラムサールセンターの活動展「アジアと日本の湿地」●


 世界銀行情報センターと日本経団連自然保護協議会が共同事業として2006年10月から行っているパネル展に、ラムサールセンターが参加します。東京・日比谷の富国生命ビル1階ロビーの「世界銀行情報センター(PIC東京)」(千代田区内幸町2-2-2)で、3月19〜30日に展示パネル展を行ないます。展示時間は平日の10時〜18時です。
また23日にはトークショーとして、第68回<ワイズユース>ワークショップを同展示スペースで行います。みなさん、ぜひ、足を運んでください。

●第68回<ワイズユース>ワークショップのお知らせ●
トークショー「ラムサールCOP10にむけて」


 2008年10月、韓国・昌原市で開催されるラムサール条約第10回締約国会議にむけての取り組み、準備状況を中心に、トークショーを開催します。終了後は恒例の懇親会です。

◆日 時: 3月23日(金) 午後6時30分〜8時00分
◆会 場: 世界銀行情報センター(PIC東京)※日比谷公会堂の向かいの角です。
東京都千代田区内幸町2-2-2 電話:03-3597-6550
◆プログラム(予定)
「COP10のテーマ/常設委員会報告」 
 守分紀子(環境省野生生物課)
「ベトナムワークショップ報告」 
 三吉憲一(北海道河川防災研究センター)
「COP10における日本とラムサールセンターの役割」
パネリスト:安藤元一/磯崎博司/中村玲子ほか (以上、予定) 
◆参加費: 2000円(会員・学生1000円)



●「KODOMOラムサール」九州・沖縄ブロック湿地交流、大成功!●

 「KODOMOラムサール」九州・沖縄ブロック湿地交流が、1月27〜28日に沖縄県那覇市「漫湖」で開催されました。2月2日世界湿地の日の協賛イベントとして、漫湖水鳥・湿地センター管理運営協議会との共催で行われたもので、九州・沖縄地域の全ラムサール条約登録湿地6カ所(名蔵アンパル、慶良間諸島海域、漫湖、屋久島永田浜、藺牟田池、くじゅう坊ガツル・タデ原湿原)、そして鳥取県の中海と滋賀県の琵琶湖からの代表、あわせて40人の子どもたちが参加しました。
 一日めは、沖縄のお正月の伝統行事、鬼餅(ムーチー)作りを体験。鬼餅とは、月桃の葉に餅を包んで蒸したもので、地元のボランティアに教わりながら、みんなで作りました。
 その後、「KODOMOラムサール」会議がスタート。子どもたちから、各地の湿地についての紹介と活動報告が行われました。3時間にわたる13組の発表でしたが、子どもたちの集中は途切れることはありませんでした。夜の交流会は、沖縄の郷土料理と沖縄の踊りエイサー体験で、会議の疲れを忘れ、たいへん盛りあがりました。
 二日めの午前中は、漫湖周辺で野外プログラムを行い、野鳥観察とマングローブ林探索を楽しみました。午後は、この湿地交流会のメーン作業「KODOMOメッセージ」づくりに取り組みました。一日めの発表を受け、メッセージに盛り込みたいキーワードをみんなでだして、沖縄らしさを生かしたメッセージが完成しました。

 「命どぅ宝、湿地どぅ宝、宝を守り続けること、それが僕らの夢」。

 「〜どぅ」とはで「〜こそ」という意味です。このメッセージを書いた布に、子どもたちはみんなでサインをして、交流会が無事終了しました。
 今回の九州・沖縄ブロック開催には、環境省、沖縄県、那覇市、豊見城市の多大なご協力をいただきました。ありがとうございます。



●第67回<ワイズユース>ワークショップ報告●

 昨年12月8日、明治学院大学で第67回<ワイズユース>ワークショップ「人と湿地と生きものの共生を考える−その@ 『トキの野生復帰と水田』」が開催されました。RCJ事務局長の中村玲子さんが、トキの保護増殖に関する2008年度のRCJの取り組みを紹介。次に、日本獣医生命科学大学助教授の羽山伸一さんから野生動物の再導入について、コウノトリの事例をもとに解説をしていただきました。最後に、RCJ副会長の磯崎博司さんから、生物多様性に関する国際枠組みを解説してもらい、その後さまざまな角度からの意見交換が行われました。トキをはじめとする野生生物の絶滅と再導入という、RCJでは初のテーマをめぐって勉強になったワークショップでした。今後も、この問題はシリーズで取り上げていきます。
 
 参加(会員)は磯崎博司、中村玲子、城殿博、苑原俊明、名執芳博、武者孝幸、石橋弘美、小澤章子、築地珠子さんでした。


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