ラムサール通信
2006年6月8日発行 第100号

ラムサールセンターが誕生して満16年。第100号のラムサール通信をお送りします。 


ラムサールセンター第16回総会速報
『AWS2008』の開催を柱とする第6期中期計画を決定

 6月3日(土)、明治学院大学法律科学研究所で第16回総会が開催され、2006年〜2008年の3年間の中期計画目標が以下のように決まりました。また、会長が岩間徹さんから安藤元一さん(東京農業大学助教授)にバトンタッチされました。
(1)
「決議\.19」にもとづき、ラムサール条約とアジアの湿地がかかえる課題解決に貢献するため、2008年の前半をめどに「第4回AWS」を開催し、その成果をCOP10(2008年10月/韓国)に提供する。
(2) COP9における「子どもラムサール」の成果を継承、発展させるため、COP10のサイドイベントとして、「子どもラムサール世界会議」を開催し、ラムサール条約への子どもたちの参加をめざす。
(3) これまでの活動目標「アジアと国内における締約国と登録湿地の拡大」から、登録湿地を中心とした、「湿地の保全・管理の実施」のための調査・研究・普及啓発、具体的な支援活動の取り組みをめざす。
 今後ラムサールセンターは、この3つの目標達成に向かって各種事業を展開します。
 総会には、岩間、磯崎、安藤、林、中村、武者、亀山、岡本、吉開、神辺、築地さんが参加。詳細報告は次号で行います。 


第66回<ワイズユース>ワークショップのご案内

 新年度初のワークショップを6月17日(土)に開催します。

日 時: 2006年6月17日(土) 午後1時〜5時
場 所: 明治学院大学 白金キャンパス 本館8階法律科学研究所会議室
(港区白金台1-2-37)地図:http://www.meijigakuin.ac.jp/access/shirokane/
参加費: 2000円(会員1000円)
プログラム(予定)
第1部:バングラデシュの湿地保全とNGOの活動
スピーカー: 新田康二さん(在バングラデシュ日本大使館)
辻井達一さん(日本国際湿地保全連合)
中村圭志さん(リコー)
第2部:新しいラムサール条約登録湿地の保全と賢明な利用を考える
スピーカー: 松本里子さん(WI-J) 「藻場の保全と賢明な利用」
高橋啓介さん(環境省自然環境計画課)
  「サンゴ礁・サンゴ群集の保全と賢明な利用」
浦田健作さん(福岡女子大学人間環境学部)
  「カルスト地下水系の保全と賢明な利用」
※ワークショップ終了後は会場近くで恒例の懇親会です。



「生きものと人・共生の里を考える会議」、周南宣言を採択

 野生生物の保護に熱心に取り組んでいる山口県周南市(ナベヅル)、新潟県佐渡市(トキ)、兵庫県豊岡市(コウノトリ)、鹿児島県出水市(ナベヅル、マナヅル)と環境省、文化庁、国交省、農水省、などが共催した「生きものと人・共生の里を考える会議」が5月27日、周南市で開催されました。300人が参加、「周南宣言」を採択。今後も「生きものと人・共生の里」の実現に向け、情報や経験を共有し、協力していくことが確認され、次回は佐渡市で開催されることも決まりました。
 パネルディスカッションのコーディネーターを中村玲子事務局長が務めました。参加した会員はほかに武者、西岡、末松、瀬田さんでした。


第65回<ワイズユース>ワークショップ「COP9報告会」報告

 1月14日に、明治学院大学法律科学研究所で行われた「COP9報告会」には、沖縄県那覇市や新潟市、茨城県土浦市など遠来の参加者を含め、盛況の34人が参加しました。COP9に参加した岩間徹会長と磯崎博司副会長ら国際環境法の専門家からの総括と評価、ラムサールセンターの活動が国際的に認知された結果としての「決議19」の解説と意義などが報告されました。「子どもラムサール」については、高良海舟くん(那覇市・中学1年)が参加した子どもを代表して報告をしてくれました。
つづいて近くのレストランで行われた「中村玲子さんのラムサール湿地保全賞受賞を祝う会」ではさらに参加者がふえ、2006年初のラムサールセンターの活動はにぎやかなスタートを切りました。
参加した会員は、岩間、磯崎、安藤、中村玲、中村有、武者、林、角田、苑原、大塚、亀山、小松、岡本、大村、土居、野中、神辺、新井、築地、阪上のみなさんでした。


●東京バードフェスティバルにブース出展●

 5月13〜14日、東京港野鳥公園で「東京バードフェスティバル2006」が開催され、ラムサールセンターもブースを出展。書籍、グッズなどの販売、ポスター展示、エコライフ・フェアの宣伝、ラムサール条約の解説、普及啓発を行い、事務局とボランティア10人が活躍しました。とくにRCJオリジナルの「ラムサール湿地クイズ」は子どもたちに大人気で、列ができるほどでした。ブース出展数70団体、来訪者数約6500人と盛況のフェスティバルでした。


●エコライフ・フェア2006「湿地の恵み展」大盛況!●

 6月3〜4日、東京・代々木公園で開催されたエコライフ・フェア2006(環境省主催)に、ラムサールセンターと日本国際湿地保全連合の共催で「湿地の恵み−ラムサール条約湿地の観光と物産展」を開催しました。これは、日本のラムサール条約湿地33カ所のPR、湿地保全の普及啓発を目的に実施されたもの。日本のラムサール条約湿地のポスター展示、資料配布、物産の紹介、湿地クイズなどでブースは大賑わい。2000部用意したチラシをすべて配布し、大成功で幕を閉じました。
 エコライフ・フェアの来場者は約7万8千人。規模の大きさに圧倒されました。湿地の恵み展の参加は、北海道、鳥取県、島根県、栗原市、大崎市、日光市、習志野市、若狭町、加賀市、串本町、竹田市、九重町、釧路国際ウェットランドセンター、霧多布湿原トラスト、佐潟と歩む赤塚の会、東近江水環境自治協議会、米子水鳥公園友の会、漫湖自然環境保全連絡協議会の18団体でした。


●「日本・中国・韓国子ども湿地交流・湿地の学校イン中国・蘭州」●
参加者、募集中です。

 前回ご案内したように、7月下旬に中国甘粛省蘭州市で、日・中・韓3国子ども湿地交流「湿地の学校イン中国・蘭州」が開催されます。WI中国がJFGEの助成を受けて開催するもので、2年めとなる今年度は、「川と水」をテーマに黄河中流域の甘粛省蘭州市を舞台に実施されます。
 蘭州は北京から直線距離で西南西へ1200kmの、シルクロードへの入り口といわれる東と西の文化が交差する街です。黄河に沿って発達した東西に細長い街で、西から流れてきた黄河が、ここから北へと流路を変えます。年間降雨量500ミリ以下の乾燥地帯で、周辺一体は黄土高原とよばれる半砂漠で、森林はあまりみられません。地球の気候変動と過剰取水によって黄河の水位は年々下がっており、黄河の水をこれ以上枯らさないようにと、河岸の丘への子どもたちの手による熱心な植林活動がつづけられています。
 イスラム料理の流れを汲む羊肉のスパイシー串焼きや、激辛の牛肉麺が食べ物としては有名です。
 今回の湿地の学校の現地パートナー、水車園小学校のウェイ校長先生は、2002年度、ラムサールセンターが初めて行った日中韓国際子ども湿地交流イン習志野の参加者で、谷津干潟と谷津南小学校を訪れています。「いつかきっと蘭州で子ども交流を」との約束が、5年めにようやく実現します。
 この「湿地の学校イン中国・蘭州」に、日本代表として参加してくださるボランティアを以下の要領で募集します。今回の代表派遣の定員は、子ども(小学校5年生〜高校生)5人と、引率のおとな(先生、両親、NGO・NPOリーダーなど)3人を予定しています。関心のある方は、ラムサールセンター事務局まで至急ご連絡ください。応募締め切りは6月20日です。なお、現地活動支援ボランティア(原則、自費参加とします。若干名)も歓迎です。

主催 ウェットランド・インターナショナル中国
協力 ラムサールセンター/ウェットランド韓国
日時 2006年7月27日(木)〜8月1日(火)(5泊6日)
プログラム(予定)
7月27日(木) 午前便で、成田(または関空)→ 北京。 空路で蘭州へ。
7月28日(金) 「湿地の学校」プログラム。於・蘭州市水車園小学校。
7月29日(土) 船で黄河中流域の自然保護区へ。自然保護区の近くに宿泊。
7月30日(日) 自然保護区から蘭州へ戻り、陸路(西安経由の夜行寝台)で北京へ。
7月31日(月) 北京着。北京泊。
8月1日(火) 北京→成田または関空
 *蘭州→北京の帰路は飛行機も可能です。その場合、費用は自己負担となります。
 *希望によって、北京、西安見物などで滞在をのばすことも可です(延泊分は自己負担)。
参加費: 子ども1人:65,000円
大人1人:75,000円
(日本・中国往復交通費、現地交通費、宿泊費を含みます)
問合先: ラムサールセンター事務局 担当:築地珠子、神辺晴美
TEL: 03-3758-7926 FAX: 03-3758-7927
E-mail: ramsarcj.nakamura@nifty.com


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