「ラムサール条約締約国会議(COP9)への子どもアピール」


 私たち子どもたちは、ラムサールCOP9の主催者が会議への公式参加を認めてくれたことに感謝します。こうした国際会議は世界中で数多く開催されていますが、子どもたちの参加が実現したことはありません。会議の主催者は、世界各地を代表して集まった私たちに、以下のような私たちの関心を表明するチャンスを与えてくれました。


A.湿地に関する情報
 私たちの両親が子どもだったころ、祖父母は子どもたちに民話やおとぎ話などでさまざまな情報を語ってくれました。しかし現在では、こうした情報はあまりにも科学的、専門的すぎて、私たちには理解できなくなっています。私たちはそういう情報を試験に受かるために利用するだけで、知恵として活用していません。聖書には、「子をその行くべき道に従って教えよ、そうすれば年老いても、それを離れることがない」(「箴言」第22章6節)という言葉があります。そこで私たちは、次のように訴えます。
・みなさんの情報を、私たちにも理解できるようなわかりやすいものにしてください。
・音楽やダンス、ドラマなどの手段を通じて、情報をできるだけ多くの子どもたちに伝えられるよう、私たちといっしょに活動してください。


B.湿地に関するツール
 私たちの祖父母は、湿地資源の賢明な利用をすすめるためにさまざまな習慣や文化を生みだしてきました。現在、そうした文化の多くが失われつつあることを私たちは心配しています。そうした湿地の利用に関する手引きは、子どもたちにはよく理解できない文章で書かれています。私たちは、この会議に参加しているみなさんに次のように訴えます。
・湿地の賢明な利用の手引きを、子どもたちにも理解できるように書いてください。
・世界の文化先導者を支援し、彼らが湿地の保全について子どもたちに教える権限を与えてください。


C.湿地の保全
 みんなが経験している洪水からもわかるように、私たちの地域の気候にも変化が現れています。多くの貴重な植物や動物がものすごい速さで消えていっていることを私たちは心配しています。世界の湿地の保全にあたって、私たちは各国の政府代表に次のように訴えます。
・湿地の保全に関する法律を強化してください。そして、法律をつくるときは子どもたちの意見も聞いてください。
・もっと多くの湿地を保護区にしてください。
・その際、とくに重要な湿地のなかで暮している人々は移住させてください。
・学校の教育プログラムに湿地の保全問題を組みこんでください。


D.湿地の回復
 重要な湿地はたくさんありますが、それらがあなたがたによって破壊されているのを私たちは目にしています。私たちは、なにがよくて、なにがよくないのか、困惑しています。世界の荒廃した湿地の再生にあたって、私たちは次のことをお願いします。
・工場開発にあたっては、代替可能な原材料を開発してください。
・湿地に与えたダメージの回復を産業界に義務づける法律をつくってください。
・湿地のダメージを回復するために、子どもをふくむすべてのパートナーと協力してください。
・これ以上の湿地への圧力をくいとめるため貧困をなくしてください。


 これからはじまるCOP9会議のなかで、私たちがお願いしたことを心にとめてください。私たちが湿地の管理について心配していることを話題にしてください。子どもたちがこうした会議の結論に影響を受けることを忘れないでください。私たちは、あなたがたよりたぶん長く生きるでしょうから、受ける影響もそれだけ大きいのです。たとえほんの少しであったとしても、子どもたちも湿地の管理に貢献できると私たちは信じています。

 みなさんといっしょに、世界をもっとよい場所にしていきましょう。ありがとうございました。


ネイチャーウガンダ、ウガンダ野生生物クラブ、ウガンダ環境教育者協会(ENVITA)、ラムサールセンターのよびかけで集まった子どもたち一同。