「ミャンマーにおける国際湿地ワークショップおよび湿地マネージャー研修」
KNCF助成事業)開催報告


2016年2月2日〜4日



 ラムサールセンター(RCJ)は経団連自然保護基金(KNCF)の支援で2013年度から「AWS活動の効果的促進のためのアジアのラムサール条約履行後進性地域の湿地調査・研究支援事業」をスタートさせ、国際交流の少ないミャンマーの湿地保全に関わるNGOや研究者をアジアの湿地保全ネットワークに迎えることを目標に活動を続けてきました。その3年計画の最終年度にあたる年2月2日(火)、ミャンマー唯一のラムサール条約登録湿地「モインジー湿地」で、10か国の湿地専門家、NGO代表による国際ワークショップ「地域協力のための湿地保全」を成功裏に開催しました。

 ワークショップは「世界湿地の日2016」記念事業として実施され、2日午前9時からの記念式典にはミャンマー政府の環境保全森林大臣はじめ政府要人、野生生物保護区レンジャー、有識者、NGOの代表ら150人が出席。大臣は開会スピーチで、同国北部の淡水湖インドジー湖が第2のラムサール条約登録湿地となったことを発表、絶滅危惧種ヘラシギの生息が確認されたモッタマ沿岸域の登録も計画中と発言し、詰めかけた多くのメディアが注目するなか大きな拍手を浴びました。登録されたインドジー湖は、本事業の一環として昨年1月RCJが国際専門家による調査を実施、報告書のなかでラムサール条約登録を強く勧告した経緯もあり、うれしく思っています。
 続くワークショップでは、ミャンマー森林局による同国の湿地保全の現状についての紹介のあと、バードライフ・インターナショナル、IUCN、ネパール環境協会、またBANCA、FFIミャンマーなどの同国のNGO、さらにソウル国立大学、マヒドン大学(タイ)、マレーシア科学大学、スマテラウタラ大学(インドネシア)の研究者から、湿地の生物多様性、渡り性水鳥保護、マングローブの保全と管理などの話題提供があり、参加者との活発な質疑応答がおこなわれました。 

翌2月3日(水)は、ミャンマー政府からの要望で、ワークショップに参加した国際専門家を講師に、野生生物保護区レンジャーを対象にした湿地研修を実施。モインジー湿地、インドジー湖、インレー湖、メインマーラクン湿地など国内7つの保護区レンジャーら20人を対象に「湿地の法制度」「ミャンマー湿地目録」「メコン流域湿地・大学ネットワーク」などについての研修しました。日本からはRCJの中村玲子事務局長が子どもを対象にした湿地環境教育、日本国際湿地保全連合(WIJ)の名執芳博会長がアジアの湿地保全と日本の国際協力についてレクチャーしました。


 2月4日(木)午前は、ヤンゴンで、RCJ主催のベンガル湾の環境保全のためのミニシンポジウムを開催し、インド、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、マレーシア、インドネシアの6か国が共有するベンガル湾の環境問題について意見交換し、今後6か国のNGOと研究者が国際協力ネットワークを構築していくことを確認しました。

 
<参考資料一覧>

 ・国際ワークショップ「地域協力のための湿地保全」

 ・野生生物保護区レンジャーを対象にした湿地研修

 ・ベンガル湾の環境保全のためのミニシンポジウム

 ・参加者リスト




モインジー湿地のフィールド視察プログラム
(2月2日早朝)



世界湿地の日記念系式典には
150人が参加しました。





環境保全森林大臣を囲んで記念撮影(2月2日)


周辺では田植えがはじめられていました。
   
 
        


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